離婚に踏み切れない人たちへ

いつだったか思い出したくない黒歴史がある。
結婚の何倍ものエネルギーが必要なイベント、それが離婚だ。

好きで一緒になった夫婦が、暮らしていく中で心が離れていく。
それでも一緒にいなければならない結婚制度の中で日本人、苦しんでいる人が多いのだと思う。すぐに関係解消できなくて、ある程度時間がかかるのが離婚だから。

夫婦のどちらか一方だけが未熟で、というケースもあれば、お互いが未熟でというケースも。そして、離婚の事由はさまざまあれど、ふたりで問題を解決できないうちに、修復し難い夫婦の関係性になっていく。

ああもう無理。そう思ってから離れるまで、どのくらいの時間がかかるものだろう。
家族の事情で離婚ができないという相談も受けた記憶がある。
背景は十人十色で、素早く離婚できない大人たちがいることも承知している。

それでも筆者は無駄な時間を過ごしてほしくないので離婚を勧めている。
すぐに離婚できない理由が明確で、自分で納得して離婚できずに一緒に過ごしているなら何も問題ないけれど、離婚を決めきれない人の多くは、納得した時間の使い方ができていない傾向がある。

まあそれはそれとして。自分の選択にはないけれども多様性の時代だ。

対人関係において問題を先送りにして自分から行動を起こさない人は多い。
離婚に限らず「自分からは別れを切り出せない」というケース。
私は意味が分からない。

「自分から告白はできない」という人にはときどき遭遇する。
自分の魅力が太陽くらい眩しくあふれていて、歩けば二度見されるような人なのだろう。付き合いが始まるような恋仲になる頃合いなら、まあ理解できなくもないけれど、相手との別れを決めたのに自分からは切り出せない、という人に聞いてみたい質問がある。

いったい誰の人生を生きているのか。
人生に時間制限があるんだぜ。
仮に人生を全うした後で反省会があったとして、その選択を後悔しないのかい?

もっというと、人生2回目でも失敗するんじゃない?

決断が他人任せ、というのは自分の人生を懸命に生きることから外れている気がしてしまう。もちろん(!)多様性の時代だからその発想を罪だという気はない。心理学者アドラー的には「課題の分離」。他人のことなのだから不倫と同じで当事者の問題。いつもは放っておくのが筆者なのだが、これが自分事なのだとしたら、自分には全くない選択で「自分では絶対に選択しないこと」の筆頭だ。

結果失敗したとしても自分で決める覚悟

おそらくなのだが、他人の方針に合わせているうちは、自分の人生を生ききることはできない。自分で決め、結果に対しても受け入れる。もし失敗したら早めに修正できて最高。うまくいったら丸儲け! 失敗しても修正できたから丸儲け! つまり行動が早ければ失敗なんかない世界が現世じゃん。というのが私の意見。

他人の方針に委ねるということは、その後の人生をその他人に委ねているということ。
自分では失敗できない、と考えているに他ならない。運が良ければ成果を手にできるが。その成果は他人が持ってきたもので、あなたのものではない。それなのに自分が得たものと錯覚する図太さが見え隠れする。こういう選択をする人は明確に失敗を定義できていない。選択の失敗をしているのだけれど、失敗が何か分かっていないので失敗し続けるのだ。

失敗とは何か。あなたは定義できるだろうか。
失敗は明確に定義できる。
失敗は修正(行動)しないこと、なのである。
失敗を経験しているのに修正をしないというのは、そもそも経験していないことと同じ、である。失敗状態が持続するということ。
だから再度言うのだ。人生2回やっても失敗すんじゃね?ってね。

今、修正できるんだ。今が一番若いのだから。

Text / Dr.Taro

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