時には人のモノも勝手に手放す

私はミニマリストとまではいかないにしても、そのへんの人たちよりは、無駄を削いだ最低限の生活をしている方だと思う。

寝室兼自分の部屋の家具は、ベッドとデスクとイス、キャスター付きミニキャビネットのみ。収納はベッド下の引き出しとミニキャビネット、備え付けのクローゼットのみでまかなっている。

今は夫と猫との3人暮らしであるが、生活を共にする人とは、衛生観念と同じくらい、ミニマルに暮らしたいという考えにギャップがあると、一緒に暮らすのがキツいと思う。

わかりやすい例でいうと、風呂上りの体を拭くバスタオルを毎日替える派と数日間使う派、最低限の物量で生きたい派と、たくさんの物に囲まれて暮らしたい派。

全く同じレベルとまではいかないにしても、同じ方向性を向いていることは非常に重要であり、私が他者との関わりや共同生活において心がけていることを3点お伝えしたい。

1.モノは持たない主義であることを公言する

自分と関わる人には、自分は不要なモノをあまり持ちたくない考えであることを話すようにしている。
そうすることで、自らの意思とは無関係に周りからもたらされるモノに対してのバリア機能が働く。
このバリア機能によって、やたらにいらない備品を増やそうとする会社の人間や、自分にとっては不要なモノを親切心であげようとする義理の家族への「NO」がややマイルドな印象になったり、自分の周りのモノの増加を防いでくれたりするのだ。

2.時には勝手に手放す

モノを手放せない人は、必要なモノと不要なモノとの分別ができていなかったり、所有しているモノの管理ができていなかったりする。
そのような人の代わりに、勝手に断捨離を行うことがある。
私の場合、夫のモノをいくつか勝手に手放している。
好きなアニメのキャラクターマグカップは、未開封のまま食器棚の奥にしまい込まれていたため、メルカリに出品した。
開ける瞬間だけが楽しいガチャガチャで取ったおもちゃは、ジモティーで必要な人にあげた。
他にもいろいろと勝手に手放したが、いずれもバレていない。結局、夫にとっても必要なものでなく、管理もできていなかったのである。

3.過剰なストックをしない

ティッシュや洗剤、スキンケアなど、日用品のストックは最低限にしている。
ティッシュは残りふたつくらい、洗剤やスキンケアは残り半分を切ったらといった具合に、減ったら買い足しといった方法を取っている。
ストックがたくさんあるのはもちろん安心ではあるが、豪邸ではない我が家の収納場所は限られており、過剰な在庫はやはり邪魔である。
何より、我が家は徒歩2分圏内にスーパーもドラッグストアもあり、家にため込まなくとも、すぐに買いに行けばいい話である。
話が少しそれるが、最近は身近で購入できるものは、極力ネット注文をしないようにしている。
物流の2024年問題も気になっているし、ネットはどうも不要なモノまで買ってしまいがちだからだ。

余談だが、夫のモノをいくつか勝手に手放した中で、スキバサミだけは「どこ行ったかな?」と聞かれたことがある。
「わからない」「そっか」で、会話は終わった。
存在を意識されていないモノというのはたくさんあり、その大半が不要なモノなのである。

Text / poco

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