風感が心地よい「蚊帳の服」との出会い

「安易に買わない」「必要なモノを吟味して買う」。そんな暮らしにシフトしてからは、必要以上のモノを持たず、今あるモノで工夫することを大切にしています。

形あるモノを新たに買うときは、すでにあるモノを手放すというのがルール。それは生活をより心地よく、改善していくための購入です。

夏の衣類に、ひとつ、新たな素材が加わりました。それは「蚊帳」です。

蚊帳といえば、蚊帳ふきんを思い浮かべる方が多いかもしれません。粗く織られた生地を指し、その特徴から通気性に優れ、使い込むほどに柔らかくなるのが特徴。

京都の夏が暑すぎて(先日東京に行ったら、東京のほうが断然涼しくて、驚きました)、少しでも涼しい素材の服求む……となっていたのです。

いろいろ調べるうちに蚊帳素材の服があると知り、一度は試してみたいと思い、買ったのが「BAN INOUE」のかやフレンチトップス(空)でした。

別の記事でも触れましたが、私はいくつもの理由からフレンチスリーブを好み、またブルーという色が好きなので、蚊帳×フレンチスリーブ×ブルーという最高の組み合わせに出会い、ときめいたものです。

蚊帳・麻織物を地場産業とする奈良県に本社を置く、井上企画・幡のオリジナルブランドで、製造元によって素材や粗さが異なるそうですが、 BAN INOUEの蚊帳は綿100%のモノ。そして、色の出方がとてもきれいです。

最初は糊が効いていて、パリッとした硬めの質感でした。買いたての蚊帳ふきんを思い出しました。

でも、一度洗濯をすると糊が落ち、布がふわっと柔らかくなります。何度も着て、何度も洗ううちに、生地がだんだんと身体に馴染み、風が服を抜けていくような着心地がやみつきになります。粗く織られているって、こういうことかと、身体感覚を通して気づいたのでした。

蚊帳素材の服は、麻とも異なり(麻も涼しいですが、輪をかけて涼しい感じ)、最新技術で開発された涼感素材とも異なります。もっと素朴で、優しい肌ざわりです。「蚊帳の日常着」という名称で売られているように、ややカジュアルな印象なので、気張らない場所への外出や運動時、室内を中心に、日常生活の中でたくさん着ています。

購入して3週間。我が家ではだいたい2日に一度洗濯をしていることもあり、毎日とはいきませんが、2〜3日に一回の頻度で着ています。あまりにも快適なので、暑く感じていたTシャツやボトムスをジモティーで欲しいという方に譲り、2枚目のフレンチトップスと蚊帳のボトムスを追加注文しました。より良いモノへの入れ替えです。

着るたびに幸せに満ちる服。そんな蚊帳の服とのうれしい出会いでした。

Text / 池田園子

【関連本】『自分をいたわる暮らしごと

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