在庫管理が好きな理由

誰しも「自然と身体が動いてしまうこと」「率先してやってしまうこと」があると思います。私の場合、そのひとつは「在庫管理」です。

たとえば、トイレの個室でトイレットペーパーが少なくなっているのを見ると、動かずにはいられません。家では玄関に据え付けられた物置から、ストックしているトイレットペーパーを1ロール持ってきて、トイレの窓辺にセットしておきます。

前の人が使い切ったのか、芯だけ残っているときは上機嫌で新たなロールと交換します。この交換作業を「使い切ったなら新しいのを補充しなよ💢」とイラつくことはありません。最後まで使い終えたモノを見て、まっさらなモノと交換する。そんな「在庫循環」に関わる作業をすることが快感なので。すっきりした〜と満足しています。

この行動をするのは自宅だけではありません。通っているジムでも同じです。ジムは人の出入りが多いので、トイレットペーパーの回転もなかなかのもの。お店や施設だと2ロール並んでいることが多いですが、片方が芯だけになっていたら、在庫管理スイッチがオンになります。壁際に置いてある予備のペーパーと交換し、芯はゴミ箱へ。芯だけ残っている場面にも度々遭遇しますが、ここでも上機嫌で交換作業をしています。そして、トイレから出る際、芯を手にしてゴミ箱へ。いつでもどこでも在庫管理担当。

いい子という年でもありませんが、いい子ぶりたいわけではありません。ただ、空っぽの状態を見ると補充したくなる。中途半端に残っているなら使い切って片付けたくなる。そんな欲求が湧いて、行動に移しているだけで。在庫管理欲が高いのだと思います。

在庫管理はトイレットペーパーなどの物質的な消耗品に限りません。食材管理も同じです。無駄な買い物をしたくないので、必ず冷蔵庫や流し下収納の在庫を目視してから店に向かいます。

一方で、在庫管理が苦手な人もいるようです。消耗品のストックがなくなったと気づいて買いに走る、冷蔵庫の中に期限切れの食材が溜まっている……それは良くも悪くも個性で、関心があるかないかの違い。「執着しない」を大事にしつつも、自分はある種、在庫管理に執着しているともいえます。

好きなこと、やりたいことは人それぞれ違っていて、それがうまくバランスを取っている感覚。私が好きな在庫管理も、小さな生活圏内のなかで、少しは役割を果たしているのかもしれないと思うと、うれしくもあるのです。

Text / 池田園子

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