「身体が丈夫」というのが唯一の取り柄と言っても過言ではない、と自信を持っていた私ですが、それすら失われつつあることを悲しく感じています。いいとこがなくなるよ(涙)。
幸いなことに、これまで大きなケガや病気を経験することなく生きてきました。一度足の指を骨折したり、何度かぎっくり腰をやったり、子宮頸がん検査で軽度異形成として引っかかったり、くらいなもので、風邪もほぼ引かない元気っ子。昨年から今年にかけて久々に風邪が1ヶ月近く長引く時期があったくらい。
そんなわけで自分のことを「頑丈な人間」と信じ込んでいました。そうありたいですしね。ただ、睡眠が5時間以下になると役に立ちませんし、粘膜に不調が出ます。寝ておけば元気、という人間です。
6月下旬、右の二の腕に強い痛みを感じるようになりました。週末の4時間だけ入っていた和菓子店でのアルバイト作業が引き金になったと予想しています。短時間とはいえ、これまでにない特殊な動きが求められる内容だったから。この状態では貢献できないと判断し、本来7月下旬までの契約でしたが、6月いっぱいでやめさせてもらいました。

そこから異変が次々と現れ始めました。最初は二の腕だけだった痛みが、肩甲骨周辺や一の腕へと広がり、やがて痺れまで伴うように。さらに7月に入ってからは、左側にも同様の痛みとしびれが出てきたのです。
ただ仕事をしているだけでも、腕の痛みや痺れが気になって、不快でたまらない。腕が怠重くてPCに向かう時間を苦痛に感じるときもありました。それは「この痛みを抱えたまま生きるのって辛い」という言語化につながりました。「慣れない嫌な感覚」が精神にここまで影響を及ぼすとは思っていませんでした。
病院嫌いで健康診断もパスしている私ですが、1週間ほど前、いよいよ行き詰まって整形外科を受診した際、医師が「痛みは見えない」といった話をしていました。こちらの話を腰を据えて聞いてくれる、つまりは時間をかけて診察をしてくれる、とても珍しい医師だったので、弱音を吐きたくなって気持ちも打ち明けました。
「この期間、生きてるのが辛いと感じる瞬間が何度もありました。ほかの病気や怪我で辛い方には、その程度で何を大袈裟なことを言っているんだ、呆れられそうですが」
「感じ方にも個人差があるので、まったく大袈裟ではありませんよ。そして、丈夫だった人ほど、急な不調にショックを受けやすい傾向があります」
そのやりとりに少し救われた気がしました。
現在も急に腕が痺れたり、時にはそれが脚にまでじわっと広がったりすることもあります。近所で評判の接骨院にも行って治療を受けたり、姿勢改善につながるムーブを聞いて実践したりもしていますが、早急な変化を期待するのは難しそう。レントゲンでは「首の後弯」がひどく、一部頸椎がへしゃげていて、それも影響しているようです。
今回の一件で老化という現実、長年にわたる身体の悪癖の蓄積、それによる経年劣化をまざまざと突きつけられました。
痛みや痺れがないときももちろんあります。だからこそ、それが顔を出したときにどう付き合っていくか、どう和らげていくかが今の私の課題です。立ち姿勢ばかりを続けない(仕事部屋の椅子を注文し、8月に届く見込み)、筋トレのやり方を変える(しばらく軽め×回数多めでいくことに)、最近ご無沙汰だった種類の運動を取り入れる(のろのろジョギング、ラジオ体操、ヨガ)など、身体の動かし方へ変化を取り入れ、観察するようになりました。
とはいえ、痛みや痺れというものが、人生でほぼなかっただけに、不調になると気持ちは下がります。ごはんを食べるとかなり回復しますが! ただ、数時間仕事をしていると腕がしんどくなり、合間にヨガマットに寝転がって休憩することもあります。整形外科ではおじいちゃんおばあちゃんに混ざって
不具合が出てきた身体との付き合い方を学んでいくことも、これからの人生には必要なのだと痛感しています。諸先輩方、ご助言ください。
Text / 池田園子
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