相手の行動の意味を自分の基準で解釈しない。

身近な人間関係が変わる 大切な人に読んでほしい本』は、英国の心理療法士フィリッパ・ペリーが書いた、人間関係の悩みを抱える人への処方箋のような1冊です。

人付き合いで抱く負の感情に対し、自分がコントロールできる部分に焦点を当て、思考・行動・感情をどう選べば生きやすくなるのかを丁寧に解説しています。

特に印象的だったのは「相手の行動の意味を自分の基準で解釈しない」視点です。たとえば、ある人が仕事の連絡を返さないとき、「相手を軽視」「後回しにしていい」といった意思があるかもしれません。しかし、別の人にとって「返信しない」という行為は習慣や価値観の違いに過ぎず、相手を軽んじる意図はない場合もあるのです。つまり「自分だったらこうだから、相手も……」と解釈し、嫌な気持ちにならなくてもいい、ということ。

本書の根底にあるメッセージは「他人は変えられないが、自分の反応は選べる」ということ。その原理原則をいつ何時も携えておくだけで、湖のような心を保てそう。

デザインも洗練されていて、手元に置いて繰り返し参照したくなる本です。自分の思考のクセに気づき、よりヘルシーな感性で人と関わりたい人におすすめです。

Text / 池田園子

【関連本】『身近な人間関係が変わる 大切な人に読んでほしい本

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