長らく気になっていた大徳寺を訪れました。京都市北区にある臨済宗大徳寺派の大本山で、ふたつの別院と22の塔頭が立ち並ぶ広大な寺域です。禅の文化を今に伝える名刹で、千利休ともゆかりが深く、歴史と静寂に包まれた場所です。こんな場所が生活圏にいくつもあるなんて……とありがたさを感じるばかりです。

敷地に足を踏み入れると、その広さに驚きました。境内を自転車で走る人や、車で出入りする関係者の姿も見られるほど。ただ歩いているだけなのに、苔むした石垣や柔らかな木々の緑、控えめな色合いの建物に心が洗われるような感覚を覚えました。拝観できる寺とできない寺があり、「拝観不可」と書かれた門の向こうを静かに覗くだけでも、そこに流れる穏やかな空気を感じます。

図書館に行ったついでの寄り道でしたが、思いのほか深く癒され、これをきっかけに「週に一度は寺社巡りをしよう」と決めました。画面の前では得られない感覚に出会えるからです。自然の中で色の調和を見たり、建物の配置にインスピレーションを得たり、頭と心が解きほぐされていくような感覚。京都に暮らすからこそ味わえるそんな贅沢な時間を、日常で味わっていきたいと思います。

Text / 池田園子
【関連本】『古寺行こう(27)大徳寺』
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