その日の私にちょうどいい昼食

以前は、「食事らしい食事」をとることに執着があった。一食一食、自分の好きなものを選び、その時間を楽しむ。特に、ランチは自由度高く。どこかへ出かけるなら、せっかくだから新しい店を開拓したい。食べることが好きだからこそ、そのひと皿に期待を込めていた。

けれど今、自分の食生活は少し様子が変わっている。原則、1食あたり脂質15g以下という目安を持ち、お酒も飲まない、お菓子も食べない。欲望を優先していた食事が、いまは少しだけ落ち着いている。

先日、自宅から京都駅まで片道7.5kmの道のりを自転車で移動した。予定はちょうど昼に終わる。ならばどこかでランチを——そう思ったものの、入りたい店が見つからなかった。そこで選んだのは、飲食店ではなく、持参した小さな和菓子だった。

和菓子は、私にとって特別な存在。1食を構成する炭水化物として食べるなら、それはもはや「お菓子」ではない、とみなす。間食ではなく食事としていただく。この自分なりの定義が、食との向き合い方をかろやかにしてくれる。

小さな和菓子を二つ。およそ250kcal、脂質はほぼゼロ。打ち合わせを終えたあと、それを食べながら駐輪場へ。本来ならたんぱく質を先に摂りたかったが、手持ちがなかったので、まずはエネルギー補給を優先する。そして再び、電動ではない自転車で7.5kmの帰路へ。ゆるやかな有酸素運動を終えたあと、前夜につくったサラダチキンを食べ、低脂質のたんぱく質を補った。

こうして振り返ると、食に対する価値観が確かに変わっていることに気づく。かつてのように、外出先で気軽に脂質を気にせずメニューを選ぶことは、自然と減っていった。楽しみのための食事から、身体を整えるための選択へ。とはいえ、完全に手放したわけでもない。ただ、その時々で選ぶ軸が少し変わっただけ。

それにしても、和菓子は実に優秀だと感じる。手を汚さず、脂質はほとんどなく、小さくても満足感がある。クイックに済ませたいときの昼食として、これほど頼もしい存在はないだろう。

とはいえ、反省もある。ゆで卵を二つ持参していれば、より理想的な栄養バランスになったはずだ。準備不足を認めつつ、次はもう少し整えてみようと思う。食を楽しむことと、食を整えること。そのどちらも大切にしながら、今日もまた、今の自分にとって心地よい選択を重ねていく。

Text / 池田園子

【関連本】『最高の除脂肪食

毎日をもっと楽しむヒントをお届けします。
「SAVOR LIFE」では、生活をより豊かにするためのアイデアや情報を発信しています。会員様限定のお知らせや限定コンテンツをニュースレターでお届けします。ご登録ください!