かね貞「もっち餅」が美味しすぎる。お餅じゃないのに、お餅みたい

とにかく、はまっている。かね貞の「もっち餅」という商品に、私はすっかり心を奪われてしまった。

出会いは、偶然だった。ある日の帰り道、食材を少しだけ買い足したく、ふらりと100円ローソンに寄った。そのとき、たまたま目に入ったのが、その一袋だった。

パッケージには、海苔を巻いた磯辺餅風の写真。お餅が好きだ。といっても、普段から頻繁に食べるわけではない。ただ、その写真に妙に惹かれてしまった。「これ、海苔を巻いたら絶対においしいやつだ」と。

しかも、名前は「もっち餅」なのに、お餅は使われていないという。魚のすり身にタピオカ加工澱粉などを合わせて、もちもちの食感を出しているらしい。お餅ではないのに、お餅みたい。その不思議さも気になって、迷わずカゴに入れた。

家に帰って食べてみて、驚いた。感動した。おいしすぎたから。

練り物なのに、いわゆる練り物っぽさがあまりない。さつま揚げでもなく、はんぺんでもない。もっとお餅に近い、けれどお餅ほど重くはない。むにっとして、もちっとして、噛むのが楽しい。こんな食感のものに、これまで出会ったことがあっただろうか。いや、ない。

翌日くらいには、もう買い足しに行っていた。在庫が三袋あり、他のファンのことを思い、二袋だけ買って帰った。それからというもの、見つけるたびに買っている。冷蔵庫に常備したいのに、なかなかそうはいかない事情があるのだが、それは後で書く。

食べ方は、私はそのままが一番好きだ。何もしなくても、十分においしい。けれど、海苔で挟むのも素晴らしい。

Taroは「甘辛くして食べたい」と言うので、醤油、みりん、砂糖で少し甘めに煮てやった。それもおいしそうにしていた。けれど私は、そのまま派。このもちもち感を、できるだけ素直に、まっすぐに味わいたい。

栄養成分を見てみると、一袋四枚入りで、たんぱく質5.8g、脂質4.7g、炭水化物56.4g。一枚あたりにすれば、脂質はおよそ1g。たんぱく質は多いとは言えないが、脂質が高すぎるわけでもない。炭水化物の多さは、あのもちもち感と引き換えだと思えば、自然。

それに、お餅を使っていないというのもいい。お餅のような形で、お餅のような食感があって、けれどお餅そのものではない。だから、たとえば高齢の方にも、「これ、おいしかったのでどうぞ」と気軽に渡せそうだなと思った。誰かにおすそ分けしたくなる食べ物のひとつになった。

メーカーの情報によると、この商品はもともとおでん用として作られたものではなく、冷めてももちもち感が残るように、配合を何度も微調整してつくられたものだという。その一文を読んだとき、開発者の執念のようなものが、ふっと立ち上がってきた気がした。

ただ、困ったことがある。なかなか売っていないのである。

家の周りには、KOHYOにイズミヤ、コープ、生鮮食品中村、ドラッグストアと、それなりにお店がある。けれど、私が探した限り、どこにも置いていない。今のところ、見つけられるのは100円ローソンだけだ。

だから私は、帰り道にチャンスがあれば、100円ローソンに立ち寄る。これ目的で、わざわざ行く日もある。今日はあるかな、と思いながら売り場を覗き、あったら買う。二袋あれば、たぶん二袋買う。在庫切れなら、ちょっとがっかりして帰る。そういうことを、ここのところ繰り返している。

こういう出会いがあるから、日常の買い物はおもしろい。

高級なものでもなく、特別なごちそうでもない。けれど一度食べたら忘れられなくて、また買いに行きたくなる。冷蔵庫にあるとうれしくなる。私にとって、かね貞の「もっち餅」は、まさにそういう存在。

お餅ではないのに、お餅みたい。練り物なのに、練り物っぽくない。そのままでも、海苔を巻いても、甘辛く煮る選択肢もある。

そして何より、あのもちもち感がたまらない。100円ローソンでたまたま出会った小さな一袋に、私は今日も魅了されている。

Text / 池田園子

【関連本】『ことばの食卓

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