大学には行かないけれど、学食には行く

学校という場所は、あまり好きではありませんでした。けれど、給食や学食は好きでした。なかでも大学の学食には、今でも惹かれるものがあります。

40歳、子どももいない、大学とは特に縁のない人間が、です。……正確には放送大学に学籍があるのですが、それを言うと話の前提が崩れるので、ここではそっとしておきます。

今週はたまたま、3つの大学の学食を訪れる機会がありました。同志社大学、京都産業大学、佛教大学です。「たまたま」と書きましたが、一週間で三カ所となると、もはや趣味と呼んでいい気がしてきました。でも、わざわざ行ったというより、近くで予定があったり、知人の講義を聴きに行ったりと、一応用事があったんです、と言い訳しておきます。

同志社大学。豚汁が110円くらいで選べてうれしい

同志社大学にはいくつも学食がありますが、小鉢を選べるのがうれしい「新町カフェテリア」へ。好みの小鉢を組み合わせ、自分なりの定食をつくる。そのささやかな自由こそが、学食の醍醐味。私が通っていた中央大学にも、たしか似たような形式があった記憶があります。あの頃はただ美味しいと思っていただけで、その自由をありがたいとも感じていなかった気がします。20年近く経ってしみじみ「いいなあ」となっている。青春とは、去ってから気づくものらしいです。

京都産業大学。何この景色!

京都産業大学では、並楽館3階にある「LIBRE(リブレ)」へ。事前にWebサイトで「ビュッフェスタイルで楽しめます」という案内を見ていたので、かなり期待して向かいました。が、実際にはそのスタイルはなくなっていました。コロナ以降のことだそうです。ざーんねん。気を取り直して食事をすると、山の上にある大学らしく、食堂からの見晴らしがとても良かった。

大変ジューシーなチキン南蛮

食事の内容だけでなく、風景も含めてその学食らしさがある。そう気づかされた昼食でした。楽しいなあ。

佛教大学。これで580円。学食価格

佛教大学では、日替わりランチをいただきました。ご飯とお味噌汁が付いて、ご飯がもちもちしていて美味しかった。こちらは近所の歯医者の帰りに立ち寄ったのですが、「歯の定期検診、からの学食」という予定をナチュラルに組み込んでいる自分に、少し笑いました。

関西大学。惣菜計り売り形式で、楽しくてついいろいろ取りました

少し前に関西大学(千里山キャンパス)を訪れたとき、学食に「もっと利用してほしい」という趣旨のポスターが貼られていました。お米の価格が上がっているなか、食堂の利用者が増えれば仕入れにもよい影響がある。そんな内容だったと記憶しています。

たしかに学食では、外から買ってきたものを食べている学生も見かけます。席だけが使われても、食堂の売り上げにはつながらない。そう考えると、地域の人や外部の人間が学食を利用することは、歓迎される面もあるのかもしれない。少なくとも私は、そう信じることにしています。でなければ、ただの学食マニアです。

もちろん、学生で混み合う時間帯は避ける。食べ終わったら長居せず、さっと席を立つ。そうした気遣いは必要です。

それでも私は、これからも地域の大学の学食を積極的に使っていくつもりです。週に一度くらい、どこかの食堂でごはんを食べる。そんな小さな楽しみが、ひとつ日常に増えました。

「学食行き過ぎでしょ」と言われたら、そうですね、と笑いながら、また来週も行くと思います。

Text / 池田園子

【関連本】『学生食堂ワンダフルワールド

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