5月のある日、家の近くを歩いていて、ふと目に入ったものがありました。わら天神の前に、「チャリチャリ」が。
あの、赤い自転車のチャリチャリです。
見つけた瞬間、「懐かしい」という感情が生まれました。2022年から二年間、私は福岡に住んでいました。自転車を買うまでの一年ほど、チャリチャリにはお世話になりました。
歩くには少し遠いなと感じるとき。移動先からもう少し足を伸ばしたくなったとき。そういう日常の合間に、チャリチャリがあった。アプリで鍵を開けて、目的地近くのポートに返す。福岡の街の中に真っ赤な自転車が溶け込んでいる風景は、私にとってすっかり見慣れたものになっていました。

わら天神の前に、いる
そのチャリチャリが、京都にある。しかも、家の近くに。おー、久しぶり。
チャリチャリは福岡発のシェアサイクルサービス。京都・大津エリアでは2026年4月から本格展開が始まっていたようです。調べてみると、以前から京都・大津で展開されていた「kotobike」の事業を引き継ぎ、チャリチャリとしてリブランディングされたとのこと。なるほど、だから突然現れたように感じたのか、と納得しました。
そして、福岡で見慣れていたチャリチャリと少し違っていたのが、色です。

福岡のチャリチャリは、原色の赤。街中でぱっと目を惹く、元気な赤でした。一方、京都のチャリチャリは、赤は赤でも少し落ち着いたトーン。えんじ色に近い、京都の街並みになじむ赤。
京都では、コンビニや店舗の看板などを街並みに合わせて色味を抑えているケースがあります。このチャリチャリの赤も、京都の景観に寄り添うための色なのでしょう。そんな違いも面白い。
京都は、自転車で移動するととても気持ちのいい街です。川沿いの風。まっすぐ続く通り。どこからでも見える山。
徒歩よりも行動範囲が広がり、公共交通機関よりも街との距離が近い。京都という街の良さを、全身で感じながら移動できるような感覚があります。
自転車は、目的地に行くためだけの道具を超えています。移動そのものが、ひとつの楽しみになる。特に京都では、その感覚がとても強い。
チャリチャリには、普通の自転車タイプと電動アシストタイプがあります。体力に自信がある人や近距離を気軽に移動したい人は普通の自転車でいいし、坂道のある場所へ行くときや少し長めに走りたいときは電動アシストを選べばいい。その日の気分や体力に合わせて選べるのは、とてもいいなと思います。
京都を訪れる人には、ぜひ一度、自転車で街を走ってみてほしいです。自転車だからこそ味わえる楽しみがある。
わら天神の前で見つけた、落ち着いた赤のチャリチャリ。福岡での日々を思い出させてくれたその自転車は、今度は京都の暮らしの中で、また私の日常に入ってくるかもしれない。
自分の自転車は持っているけれど、京都のふとした場所でチャリチャリに乗り、出先から出先へとかろやかに移動する。そんな使い方もできそうです。
Text / 池田園子
【関連本】『臆病者の自転車生活』
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