買わない暮らしの、買うとき

買わない、と決めていても、買うときは買う。

今年の夏、トップスを2枚買いました。SOÉJUの「COOL SMOOTH ドルマンスリーブカットソー」です。今の自分に足りない役割の服を補いました。

今持っている夏のトップスは、ほとんどがカジュアル寄りです。無印良品のフレンチスリーブTシャツを気に入っていて、昨年買った3枚を今年もよく着ています。1枚990円。近所に行くにも、自転車に乗るにも、イベントを聞きに行くにも十分です。清潔感もあるし、何も困らない。

ただ、人前で話す(プレゼン含む)・仕事関係の場に行く日には、もう少し「綺麗に見えて、隙のない」服がほしいと思っていました。ボタンのついた服は着たくない。でも、ただのTシャツでは少し心もとない。そういう要望を満たす服が、このSOÉJUのカットソーでした。

買ったのは、チャコールとブルー。どちらも暗めで落ち着いた色です。商品ページでは「Tシャツのカジュアルさとブラウスの上品さを兼ね備えた」と紹介されていましたが、まさにその通り。形はカットソーなのに、着るとブラウスのように見える。ドルマンスリーブで肩や腕まわりにゆとりがあり、身体のラインを拾いすぎない。でも、だらしなくは見えない。

素材もいいです。コットン100%なのに、普通の綿Tシャツとは違って、手触りはシャリっとしていて、表面には確かな光沢感があります。触れた瞬間に「これは一味違う綿だ」とわかる。上質な生地だと一目で伝わる手触りでした。洗濯機で洗えて、シワになりにくく(少し不安でしたが、本当にシワになりにくくて素晴らしい)、接触冷感や抗菌・防臭の機能もある。夏に着る「しゃんとした服」として、かなり現実的です。

無印のTシャツは日常着としては優秀です。でも、SOÉJUは別の服でした。まとめ買い割引で1枚6,500円、無印とは価格も何倍も違います。無印は「困らないための服」、SOÉJUは「整えるための服」。役割が別物だと感じます。

袖丈もちょうどいい。無印のフレンチスリーブは袖が短く、私の腕や肩の太さが潔く出ます。それはそれでいい。でも、このドルマンスリーブは、肩から二の腕にかけて自然に落ちる形で、腕や肩周りのボリュームをほどよく逃がしてくれる。体格を完全に隠すのではなく、きれいに整えて見せてくれる感じがあります。

これを買う前に、他のブランドもいくつか見てみました。デザインが好みのものはあっても、素材感や着たときのシルエットまで含めて「これがいい」と思えるものには出会えませんでした。結局、これまで買ったことがあり、満足していたSOÉJUに戻りました。それは妥協ではなく、答え合わせのようなものだったと思います。

買い物は、慣れたところでするのがいい。知らないものを試す楽しさもあるけれど、自分の身体に合うこと、自分の生活に合うこと、過去に満足した経験があること。その記憶は、かなり頼りになります。

買わない暮らしをしているからこそ、買うときには真剣に選びたい。そして、必要な役割を持つ服を迎える。今回の2枚は、夏の「綺麗に見えて、隙のない」を引き受けてくれる、役割のある服でした。

Text / 池田園子

【関連本】『つい買ってしまう、をやめた。 ——40代からのシンプルな「買わない」習慣

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