人が集まる場に行くとき、自分から話しかけるようにしている。交流会でも、何らかのイベントでも、誰かが話しかけてくれるのを待つのではなく、自分から一歩近づいてみる。
もちろん、待っているだけで自然と人が集まってくる人もいる。場にいるだけで目を引く人、どこか特別な雰囲気を持っている人。そういう人には、周囲のほうから声がかかるのかもしれない。でも、私はそういうタイプではなく、平凡な人物。
だからこそ、自分から動く必要があると思っている。待っているだけでは、出会えるはずだった人とも出会えない。話せば面白かったはずの人のことも、知らないまま終わってしまう。
先日も、あるイベントでひとりで過ごしている方がいた。もしかすると、あまり話したくないのかなとも思った。けれど、さり気なく近づいて、声をかけてみた。すると、その方はいろいろな話をしてくれて、とても面白い人物だということがわかった。こういうことがあるから、自分から話しかけることはやめられない。

少し前から『大きく考える魔法』という本を読んでいる。非凡な魅力を持つ友人が「何回も読んでる」と教えてくれた本だ。気になって私も購入し、少しずつ読み進めている。その中に、「人に対して正しい考え方をする」という章があった。書かれていたのは、自分自身の成功は必ず誰かの支えによって成り立っている、ということ。だからこそ、人に対して正しい考え方をして向き合いましょう、ということが書かれている。
具体的には、人を好きになるための努力をすること。たとえば、相手の名前を覚え、名前で呼ぶこと。相手の良いところを探すこと。おおらかな気持ちを持つこと。付き合いやすい人間になること。人を勇気づけること。簡単に見えるけど、そうした一つひとつの積み重ねが、人との関係をつくっていくのだという。
中でも印象に残ったのが、うまくいっている人は自分から自己紹介をする、という話だった。自分の名前を相手に伝え、相手の名前を聞いたらその名前で呼び、それを覚えようとする。それを読んで、私は少しうれしくなった。自分がこれまでやってきたことは、間違っていなかったなと思えたからだ。
人に話しかけるというのは、ただ社交的に振る舞うということではないのだと思う。それは、その人に関心を持っています、あなたのことを知りたいと思っています、という姿勢を示すことでもある。
本の中で、ある人の考えが示されていた。「(僕から話しかけられた相手からすれば)自分は大切な存在ではないかもしれない。でも、その人は自分にとって大切な存在。だからこそ、その人のことを知る必要がある」。また別の箇所では、そうした姿勢こそがリスペクトを持って人と接するということなのだ、とも語られていた。この考え方は、とてもいいなと思った。
人に話しかける際、勇気がいるという人もいるかもしれない。相手がどう受け取るかはわからないし、うまく会話が続くとも限らない。それでも、こちらから声をかけることで、相手が「自分に関心を持ってくれている」とポジティブに感じてくれるなら、それだけでも意味がある。
待っているだけでは、始まらない。けれど、自分から一歩踏み出すことで、思いがけない出会いが生まれることがある。
これからも私は、人が集まる場では自分から話しかけていくスタンスを崩さない。それは、自分を大きく見せるためではない。出会う人に対して、できるだけ正しく、敬意を持って向き合いたいし、“人を知る”ことは大きな人生勉強だと感じているから。
Text / 池田園子
【関連本】『大きく考える魔法』
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