知り合いのおばあちゃんが転倒し、大腿骨頸部を骨折したと聞いた。
それまで骨について、ほとんど考えたことがなかった。食事や睡眠、運動、筋肉、肌のことは気にしても、アクティブに動けているからか、骨への意識はなかったに等しい。カルシウムを意識して摂ろうという発想もなかった。

大腿骨を骨折すると、多くの場合は手術でボルトを入れ、リハビリをしながら再び歩けるようにしていく。本人にとっても周りにとっても、生活が激変しかねない大きな出来事。そう考えると、「骨折してから治す」以上に「骨折しにくい身体をつくっておく」ことの大切さが、自分ごとになった。
女性は閉経後に骨密度が低下する傾向にあり、骨粗鬆症は高齢女性に多い疾患。私はもう40歳。更年期も遠い未来ではない。骨のことを「まだ先の話」にしないほうがいい。
何かを極端に制限したいわけではない。ただ、何をどう摂るか、何と一緒に摂るか、どんな生活習慣が骨に影響するか——そうした小さな知識を持つことが、これからの自分を守ることにつながると思った。
骨は、何もしなくても少しずつ変わっていく。痩せすぎないこと(私の場合、これは確実に大丈夫)、運動や筋トレをすること、よく歩くこと、カルシウムを含む食材を摂ること。調べてみると、カルシウムを含む食材は普段から自然と食べていた。何もしていなかったわけではなく、「骨を守り、育てる」という意識がなかっただけ。同じ食事、同じ運動でも、意識があるかないかで違ってくる気がする。美しくなるための運動ではなく、未来の自分が自分の脚で動くための運動。
小学生と大学生の頃に骨折した経験がある。それ以来、骨折はどこか遠い出来事になっていた。若い頃は骨が脆くなる感覚など想像もしなかった。年齢を重ねる中で、こういう「気にしていなかったもの」に目を向ける機会がちらほら出てくる。
骨は沈黙している。けれど、歩くことも、立つことも、座ることも、抱えることも、出かけることも、すべてその上に成り立っている。これまでありがとう、骨。これからも支えてください。今日から、筋肉だけでなく、骨のことも考えながら生きていくよ。
Text / 池田園子
【関連本】『骨粗しょう症を防ぐ 強い骨のつくり方』
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