エアコンの室外機に濡れたタオルを敷き、その上に水を入れたバケツを置く。もう一枚のタオルをバケツから垂らし、少しずつ水を行き渡らせることで、室外機の温度を下げる——そんな方法がSNSやネットニュースで話題らしい。
効果については諸説あるみたい。メーカー自身、実際に検証したわけではないので具体的な効果は分からないとしながらも、理論的には効き目がよくなる可能性はある、と答えている古い記事を見つけた。ただそのすぐあとには、タオルが風で飛ばされて吸込口をふさぐ危険や、バケツが落下する危険が挙げられ、その流れで自社の日よけ製品を紹介しているケースも。ふーむ。
それでも、真夏の炎天下に置かれた室外機を見ると、少し冷やしてあげたくなる気持ちはわかる。私も、ときどき水をかけることがある。
Taroは自分のクリニックですでにこの方法を試していて、家でもやりたいと言った。
「百均でタオルを二枚と、バケツを一つ買ってきて」
実験としてやってみることには賛成。でも、そのために新しいものを三つも買うのは、ちょっと待った。タオルもバケツも、家の中を探せば代わりになるものがあるはず。
タオルは、すでにたくさんある。ちょうど同じ柄の、華やかな色のタオルが二枚あったので、それを使うことにした。
問題はバケツ。アルミのバケツはあるけれど、それはお風呂の残り湯を汲んで、外に打ち水をするためのものだ。すでに役割があるので、室外機の上に置きっぱなしにはできない。
何かプラスチックの容器はないだろうかと考えて、思いついたのが洗面器だった。使うのは、お風呂に入っている間のせいぜい三十分ほど。それ以外の時間は、ほとんど使われていない。出番の少なめな備品。

賛否両論ある方法を実験中
そこで、気温が三十度を超えるような暑い日には、洗面器に水を入れて外へ持ち出し、室外機の上に置くことにした。お風呂に入るときだけ、家の中へ戻せばいい。いわば、浴室に籍を置いたまま、真夏だけ室外機の上へ出向くようなものだ。
始めてまだ日が浅く、あくまでテスト的にやっている。効果については諸説あるので、本当に涼しくなっているのかどうかはわからない。それでも、心なしか室内が涼しくなった気がするし、エアコンの効きが少し良くなった気もする。もちろん、気のせいかもしれない。
こうして、タオル二枚とバケツ一つを新たに買うはずだった計画は、家にあるもので間に合った。わずかな金額の話ではある。でも、必要だと思ったものをすぐ買いに行くのではなく、すでにあるものに別の役割を見つけられたことが、うれしくて。
洗面器は、浴室に籍を置いたまま、真夏の間だけ室外機の上へ出向している。家の中の、ほとんど出番のなかった備品がひとつ、意外な形で忙しくなったことに、にんまりしている。
Text / 池田園子
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