ラクできないコールスロー

一度の体験レッスンを経て、入会したばかりの「ラ・キャリエール クッキングスクール」へ、料理を習いに行った。そこでつくった料理のひとつが、コールスローだった。

これまで、コールスローをつくったことがない。つくろうと思ったことさえなかった。このスクールでは、つくりたいメニューに合わせて参加する回を選べる。それならばと、自分ではまず選ばない料理を、あえて習ってみることにした。

コールスローづくりで大切なのは、キャベツをできる限り細く千切りにすること。そして、最もキモとなるのは、キャベツに含まれている水分を取り除くことだった。

刻んだキャベツに塩をもみ込み、しばらく置く。すると水分が出てくるので、今度はそれを力いっぱい絞る。本当に、これでもかというくらい絞る(笑)。水気を十分に切ってから、ようやく調味料と合わせる。

この日のレッスンではコールスローとドライカレーをつくった

実際につくってみると、これがとてもおいしかった。お店で食べるたびに「コールスローっておいしいな」と思っていたけれど、それを自分の手でつくれたことに、かなり感動した。

そして、おいしさを左右するのは、特別な調味料ではなく、いかに丁寧に水気を切ったか、なのだと気づいた。キャベツに水分がたくさん残っていれば、味がぼやけ、水っぽくなってしまう。細く刻み、塩をなじませ、待って、力の限り絞る。その手間がおいしさにつながっている。

コールスローは、思っていたより簡単な料理ではなかった。少なくとも、ほかのメニューと合わせて何もかも30分以内につくろう、という日には向いていない。なので、頻繁につくるかどうかは、わからない。

それでも料理教室の二日後、私はさっそく家でもう一度つくった。習ったことを忘れないうちに復習したかったのだ。教室でつくり、家で実践する。その流れも楽しい。

私は普段、料理はなるべくラクにしたいと思っている。省ける工程は省きたいし、手早くおいしくできるなら、それがいちばん。

けれど、料理にはどうしてもラクをできない場面がある。この料理の、この工程だけは、じっくり丁寧にやらなければおいしくならない。そんな「ここぞ」というところがある。

すべてに手をかけるのは大変だ。ラクできるところでは、存分にラクをする。その代わり、おいしさを決める工程では、惜しまず手をかける。

料理を続けていくには、そんなメリハリが大切なんだろうなあ。家で人生二度目のコールスローをつくりながら、そんなことを感じていた。

Text / 池田園子

【関連本】『キャベツ、大量消費!

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