大量にもらったバジルをおひたしにする

バジルのおひたしをつくった。

つくり方はとても簡単。バジルを洗って軽く湯通しし、水気を絞って食べやすい大きさに切る。あとは、めんつゆをかけてかつお節をのせるだけ。

一度にたくさん頬張ると、苦みのようなものを感じる。でも、少量ずつ食べるならおひたしとして成立する。バジルらしい爽やかな香りも楽しめて、おいしかった。

かつお節の力もありそうだ。かつお節は、少しかけるだけで料理をいい感じにまとめてくれる。見た目の華やかさも、食欲をそそる香りも。本当に便利だし、ほんのわずかとはいえ魚のたんぱく質もとれる。バジルの香りが爽やかなので、クセのないめんつゆやかつお節とよく合うのだと思う。

ここまで書いておいてなんだけど、バジルをおひたしにするつもりなどなかった。

先日、実家に戻った際、祖母に会いに行った。祖母の家の裏には畑があって、そこでバジルがかなり旺盛に育っている。だから行くたびに、たくさん持って帰ってねと言われる。今回はバジルソースももらっていたのだけれど、それとは別に、生のバジルもたくさん渡してくれた。

京都へ持ち帰った時点では、近所に分けるつもりだった。欲しいと言ってくれそうな人の顔が、いくつか浮かんでいたからだ。

ところが、京都に戻った日の翌朝、腰が痛くなった。起き上がるだけで「痛っ」と声が出るほどになっていた。車や新幹線で長く座って移動したあと、身体の前と後ろに重たい荷物を背負って駅の中をかなり歩いたのが、よくなかったのだと思う。

立っているだけなら比較的楽だったけれど、横になった状態から起き上がるのはしんどい。腕の力でそろそろ起き上がり、四つん這いになって、どこかにつかまりながら立ち上がる。そんなこんなで、元気な顔でバジルを届けに行くことさえ、難しかった。

目の前には、たくさんのバジルがある。誰かに渡せないのなら、もう自分たちで食べるしかない。

調べてみると、洗って乾かし、塩漬けにすれば保存できるとあった。ただ、それはちょっと面倒くさいかも……。そもそも葉物野菜なのだから、ほうれん草のおひたしの横展開でいけるのではないか(ラクしたい)。そう思って探してみたら、バジルでおひたしをつくっている人がいた。

腰を痛めなければ、おそらくつくることはなかっただろう。そう考えると、「バジルはおひたしにしてもおいしい」という発見は、腰痛がもたらした数少ない収穫だった。

とはいえ、今回のことは反省している。普段の私はだいたい立って生活していて、一日に三時間も座っていない。それなのに、移動のあいだは座り続け、そのうえで重たい荷物を持って歩いた。お金は多少かかるけど、せめて荷物だけでも宅配便で送っておけば、腰への負担は減らせたはずだ。その場では「これくらい持って帰れる」と思っても、身体は正直で、いつもの生活との違いを受け取っている。

バジルのおひたしは、爽やかでおいしかった。けれど次につくるときは、自分から「また食べたい」と思ってつくりたいところ。

Text / 池田園子

【関連本】『バジルの魔法レシピ』

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