ちょっと包むだけで

友人と会うことが決まったものの、手土産を買いに行く時間がなかった。

そこで、家に在庫があるあんバターを持っていくことにした。好きなあんこ専門店のもので、人に送ったり、ちょっとしたときに渡したり、自分で食べたりするために、いくつか買い置きしている。

そのまま渡すのは味気ない気がして、何かに包みたくなった。探して見つけたのが、前日までポストカードが入っていた透明の袋だった。捨てずに取っておいたもので、入れてみるとちょうどよい大きさだった。

正方形のメモ用紙にひと言書き、一緒に袋へ入れる。最後に、家にあったマスキングテープで口を留めたら、プレゼントらしくなった。

わざわざ包装紙を用意したわけでも、百円ショップへラッピング用品を買いに行ったわけでもなく、中身も包みも、すべて家にあったもの。

きれいな袋や箱は、取っておくと必要以上に増えてしまう。「いつか使うかもしれない」は、時にあるけれど、だいたい「かも」で終わるから、ためすぎないほうがいい。

一方で、もう一度使えそうなものをほんの少しだけ持っておくと、こんなふうに役立つことがある。

包装に、新しく買ったものは一つも使わなかった。ポストカードや雑貨が入っていた透明な袋、きれいな紙、小さなメモ用紙、短く残ったリボンやマスキングテープ、シール。手元にあるものを組み合わせるだけでも、贈りものらしくなる。

必要なものがないと思ったとき、まず家の中を見渡してみると、けっこうなんとかなるものだ。

Text / 池田園子

【関連本】『きほんのラッピング便利帳』

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