夜の自分を、潔く諦めてみた

先月、さとゆみさんのブックレビューをきっかけに、『神・時間術』を手に取りました。
私はときどき「さとゆみ買い」をします。
さとゆみさんのブックレビューを読んでいると、「あ、これ読みたい……」となって、購入ボタンをそっと押している。今回も、まさにそれでした。

『神・時間術』は、精神科医の樺沢紫苑さんが、科学的根拠や調査データをもとに「人が最もパフォーマンスを発揮できる時間の使い方」を解説している一冊です。

たとえば、
・起床後2〜3時間が最も脳のパフォーマンスが高いこと
・運動を挟むことで集中力や生産性が上がること

どれも「なんとなく知っている」話ではあるのですが、データとともに示されることで、ふわっとしていた感覚が、「あ、やっぱりそうなんだ」と、静かに確信へと変わっていきます。

その中でも、私にいちばん刺さったのが、「夜の人間は、基本的にポンコツである」という前提でした。
書籍内の正確な表現ではなく、言葉は私なりにまとめています。

でも、人間のパフォーマンスは、朝から夜に向かって下がっていく。これは科学的にも証明されている。
そう言われて、自分の毎日を振り返ってみたのです。

「日中は予定が詰まっているから、夜に集中して考えよう」
「夜、落ち着いてから大事な企画書をつくろう」

そうやってGoogle カレンダーに組み込んだ、夜の重要タスク。
けれど、いざその時間になると、目は疲れ、頭はぼんやり、やる気も消えている。
——はい、まったく使い物になりません。

私はようやく、この本を読んでそれを認めることができました。
夜の自分はもうダメ。能力がない。

これは諦めというより、「やっと理解した」という感覚でした。

夜はリラックスする時間。
次の日に備える時間。
回復のための時間。

そう割り切ってしまうと、気持ちがすっと軽くなりました。

そしてもうひとつ、大きな変化がありました。
「夜にできない」とわかっているからこそ、日中の時間の優先順位や動き方を、適切に考えるようになったのです。

午前中、まだ頭が働く時間に、大事な仕事を入れる。
そこを動かさない。
夜に回す、という逃げ道を最初からつくらない。

「夜の自分を諦める」

それは、自分を甘やかすことではなく、自分の特性を正しく扱うこと。人間の身体の仕組みに素直になる、という選択でした。

『神・時間術』を、さとゆみさん経由で知り、読んで、時間の使い方だけでなく、夜の自分への期待値を下げることができたように思います。

夜の自分を、主力にしない。
その代わり、朝と昼の自分を、まあまあ信じる。

がんばる時間と、ゆるむ時間。その境目ができた。そんな変化をくれた一冊でした。

Text / 池田園子

【関連本】『神・時間術考

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