「パートナーから『どうしてあなたは私(僕)と一緒にいるの?』と聞かれたら、どう答える?」
先日、親しい人と何気ない話をしているときに、こんな問いがふと話題に上りました。パートナーとそんな話になったそうです。皆さんなら、どんな答えを返しますか?
難しい……。ひとりになって、もしTaroから訊かれたら、私はどう答えるだろうかと考えていました。
「好きだから」
「“大事ちゃん”だから」
「総合的に見て、とても楽しいから」
「一緒にいると心が豊かになるから」
「豊かさの定義が近いから」
どれも間違っていないのに、どこかしっくりきません。好きや大事の濃淡、強弱はさまざまですが、周りにいる関わりのある人たちは皆、基本的には好きで大事な人たちです。興味のない人はいても、嫌いな人はいないし。
以前『「なぜ」と聞かない質問術』という本で、「なぜ」「どうして」と聞くと、人は説明をつくり始めてしまう」と読んだのを思い出しました。この問いもそれと似ていて、理由を探そうとするほど、本質から遠ざかってしまうのだと思います。
それでも、今の私がいちばん近い言葉を選ぶとしたら、こうなります。
「あなたが、私にとって唯一無二の存在だからです」
昔、noteに「私は“あなたがいい”と言ってくれる人とともに生きていきたい」と書いたことがあります。それまで、「多くの選択肢の中のひとりとして、“あなたでいい”という感覚で選ばれてきたし、自分もそうしてきた」という自覚がありました。だからこそ、プライベートの場面では「“あなたがいい”と言われたい」と強く願っていたのです。
これまでTaroとは、両手で数えられるくらい喧嘩もしてきました。それでも平時も衝突の最中も、Taroはいつも「Sonoがいい」「その子さんじゃないとイヤ」と言います。
人は、自分が言われたい言葉を相手に向け、自分がしてほしいことを自然と相手にするものです。それが意識的であれ無意識的であれ、関係を大切にしたい人ほど、そうしている。Taroもそんな人です。

2021年、「その子さんがいい」と言ってくれる相手と出会えたことは、私にとって奇跡でした。私の中にも「Taroがいい」という感覚が、確実に根づいています。
Taroの代わりは、誰にもできません。私にとって嫌なところも含めて、TaroはTaroであり、他の誰とも交換できない存在です。
「(生活音に対して)もー、うっせーな」と思ったり、「おならがくさすぎる!」と腹を立てたりすることはあっても、それは些細なこと。それでも私は、Taroだから、Taroと一緒にいます。
ただひとつだけ、大切にしている線引きがあります。もしTaroが「Sonoと一緒にいたくない」と思うようになったとき、その瞬間、私が一緒にいたい“関係としてのTaro”は終わる、ということです。
それはTaroの価値が失われるという意味ではありません。ただ「一緒にいたいと望み合う関係」という形を失ったとき、無理に一緒にいるという選択をしないというだけです。
相手が唯一無二であることと、無理をしないことは、私の中では矛盾がなくて。唯一無二だからこそ、相手の決断を叶えてほしい。
だからもし、Taroからあの問いが放たれたら、今の私はこう答えます。「Taroだから」。
Text / 池田園子
【関連本】『「なぜ」と聞かない質問術』
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