家のパンは、これでいい

食べたいと思ったとき、家でパンを焼いている。
といっても、いわゆる「丁寧なパンづくり」ではない。

思い立ったときに、さっと。
1時間で終わるものだけ。

何時間も発酵させて、工程を重ねて……というのは、どうも違う。
「家のパン」はもっと気軽でいい。
むしろ、気軽だから続く。

私の基準は3つ。「簡単」「材料が少ない」「新しく買わない」

そして、もうひとつ。
Kindle Unlimitedで読めること。

月額980円。せっかくなら、とことん使いたい。
「元を取りたい」のである。

そのなかで最近見つけたのが、『55分で焼きたてパン』(沼津りえ)だった。
なんとこの本、ポリ袋でパン生地をこねる方法を紹介していて、驚いた。

ボウルも使わない。
手もほとんど汚れない。
粉を100g、塩1g、砂糖5g。
そこにぬるま湯と油、ベーキングパウダーを入れて、袋のままこねる。

この「袋のまま」というのが、すごい発明だと思う。

3分、4分こねて、袋を切って、6等分。
丸めて、フライパンへ。

強火で10秒。あとは35分、ただ置いておく。

パンって、待つ時間が長い。
でも、この「ただ置いておく時間」は、嫌いじゃない。
別のことに時間を使える。

そのあとまた火を入れて、弱火で焼く。
たったそれだけ。

できあがったパンは、ふかっとしている。
ちゃんとしたパンだ。

いつも、少し感動する。
こんなに簡単でいいのか、と。

100gという量もいい。
ふたりでちょうど食べ切れる。

自分でつくるパンもおいしいし、もちろん買うパンもおいしい。
でも、「パンを気軽に、簡単につくれる」という事実は、それだけでちょっとした楽しみになる。

パンづくりが、日常に入ってきた。

簡単なパンレシピを考えてくれた方々に、感謝したい。

難しいと思っていたことが、実はこんなに簡単だった。
それだけで、世界は少し広がる。

たぶん私はこれからも、思い立ったときにパンを焼く。

Text / 池田園子

【関連本】『55分で焼きたてパン

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