お金を払えば早い。でも、あえて遠回りをした日のこと

「お金を払えばすぐに答えが手に入ること」を、あえてしなかった日のことを書こう。

これまでの私は、何か判断に迷ったとき、特に人との相性のように曖昧で自分では掴みにくいテーマに関しては、迷わずプロに頼っていた。鑑定料はだいたい数千円〜1万円。著名な先生なら2万円くらいだろうか。その金額を払えば、整理整頓された答えが返ってくる。それはそれで、とても合理的な方法だったと思う。

けれど今回は、少し違う選び方をしてみた。ある方から「一緒に仕事をしないか」と声をかけていただいた。刺激や新しさ、学びはある。一方で、どうしても引っかかるものがある。むしろ面白い人である。ただ、やりとりをしていると、じわじわとこちらのHPが減っていく感じがある。理由はなんとなく分かっていて、依頼の温度感がラフすぎたり、こちらの都合を軽く飛び越えてくる連絡があったりするからだと思う。

こういうときの勘は、だいたい当たる。そして厄介なことに、外すときも「嫌な外れ方」をする。——つまり、曖昧なまま進めると、あとで効いてくるタイプだ。

しかも今回は、もともと知っている相手だ。「この人、こういうところあるよなあ(笑)」というストックが、十分にある。わざわざ四柱推命を持ち出さなくても、「雑に組んだら事故る」という未来だけは、くっきり見えていた。

それでも、その違和感の正体をもう少し深く見てみたくて、今回は自分で調べてみることにした。

四柱推命の本を取り寄せて、ページを行ったり来たりしながら、自分の特性を一つずつ確認していく。四柱推命は、生年月日と生まれた時間から「命式」を作り出し、性格・相性・運勢の流れを読み解く中国の占術。その命式には、八つの基本的な要素が導き出され、それぞれが陰か陽の性質を持ちながら、「木・火・土・金・水」という五行に分類される。つまり、自分の中にどの要素がどれくらいあるのか、その偏りやバランスが見えてくる仕組みになっている。

私の命式

どの要素が多いか少ないかに「良い・悪い」はない。ある要素が少ない、またはないなら、それは行動で補うこともできるし、多すぎるならバランスを取ればいい。そうやって見ていくと、これは占いというより、「自分の設計図を読み解く作業」に近い気がしてくる。自分がもともと持っている性質。先祖や親から受け継いだもの。そして、自分の選択や行動によって後から育てていく部分。そのすべてが重なり合って、今の自分を形づくっている。それを体系として眺められるのが、思いのほか面白い。

読み進めながら、「ああ、確かに」と思う瞬間が何度もあったし、「だからあの違和感があったのか」と、点と点がつながる感覚もあった。続いて相手の特性も見てみる。事前に聞いていた鑑定結果とも大きくズレはない。やっぱりそういう人だよね、という納得感。

そして、相性を見る。見えてきたのは、「補い合えるところ」と「反発するところ」が、きれいに同居している関係だった。面白いのはここからで、この衝突し得る要素をどう扱うかで、関係の意味が変わる。ぶつかる可能性が高いから避けるのか、それとも違うからこそ学びになると捉えるのか。

ただ、ひとつだけはっきりしている。これを「なんとなくいい感じ」で進めたら、確実に消耗する。ここだけは、占い以前に経験則で分かっている。

だからもし一緒にやるなら、条件や役割は一切の曖昧さを残さず言語化する必要がある。ふわっと始められる関係でもなければ、内容でもない。

……と、ここまで考えたうえで、今回の一番の収穫は、別のところにあった。

自分で調べるの、けっこう楽しい。

あのとき1万円か2万円を払っていたら、きっと数分で「なるほど」と納得して終わっていた。でも今回は、時間をかけて、自分の手で考えて、読み解いていった。その過程で、「どうやって見るのか」という方法そのものが手に入った。これは、あとから効いてくるタイプの財産だと思う。

すぐにお金で解決することは、もちろん悪くない。むしろ、時間を買うという意味では賢い選択だ。でも、あえて遠回りをすることでしか得られない理解もある。今回それを、久しぶりに味わった。

だからきっと、これからも私は、ときどき立ち止まって、自分で調べてみるだろう。少し面倒で、時間がかかるやり方を選びながら、「わかっていく感覚」を楽しみたいと思う。未知の分野の勉強というのは、時間を忘れて没頭してしまう深みがある。

Text / 池田園子

【関連本】『一番わかりやすい はじめての四柱推命

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