たくさん稼ぐことより、ちょうどいいを知ること

「お金の使い方って、その人の生き方そのものなんだな」と思う出来事がありました。

たまたま見た記事に、以前ネットの世界で注目されていた人の近況が出ていて、そこから関連する動画や話を少し追ってみたんです。
一時は想像もできないほどの収入がありながら、いまは全く違う生活をしているという。その流れを見て、私は自然と、自分の暮らしのサイズについて考えていました。

もちろん、外から見れば「なぜそうなったのか」と理由を探したくなるし、いろいろな意見も目にしました。
でも私は、誰かを評価したいわけではなくて。ただ、それをきっかけに自分はどう生きたいのかを考えていた気がします。

最近、『The Art of Spending Money』という本を読んでいます。
そこにこんな話が書いてあったんです。たくさん働き、たくさん稼いでいた時期の幸せを100とすると、収入がそこまででなくなっても、幸福度は8割、9割くらいのところに落ち着く、と。

それを読んで、「ああ、わかるなぁ」と思ったんです。
幸せって、収入の大きさや、持っているものの値段と比例して増えていくものではないよね、と。

もちろん、高額なジュエリーを買ったり、特別なディナーに行ったり。
そういう「点」みたいな楽しさはあると思います。
でも、いまの自分にとっての幸せは、もっと静かで、日常の中にあります。

あたたかい家があって、あたたかい布団で眠れること。
家であたたかいごはんを食べて、食後に少しだけおやつをつまんで、お酒を飲む。
それだけで、もう十分だなと思えるんです。

昔は、ブランド物を買ったり、少しきらびやかなものに心が向いていた時期もありました。
でも今は、目の前にあるものを味わえることの方が、ずっと豊かだと感じます。

結局、幸せって「どれだけ稼いでいるか」ではなくて、「自分にとってのちょうどよさを知っているか」なのかもしれません。

昔は、年収が右肩に上がっていくことをどこかで目指していた気がします。
でもいつからか、そこまでなくていいなと思うようになりました。

働きすぎて疲れて、余白もなくなって、きらびやかな生活を維持するために働き続ける——それは、私が望んでいる生き方ではないから。

見栄のためでもなく、誰かにすごいと思われるためでもなく。
ただ、自分が心地よく生きていくために働く。

自分の身の丈に合った暮らしのなかで、満たされているなと思えること。
最近は、それが一番ぜいたくなのかもしれないと思っています。

Text / 池田園子

【関連本】『The Art of Spending Money

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