その日は、2軒目に京都・仁王門通にある「日本酒サロン 粋 -sui-」に行くつもりだった。
理由はふたつ。
この店と親和性のありそうな知人を連れて行きたかったこと。
それから、さとゆみさんに会えたらいいな、と思っていたこと。
そう、この日はオーナーの堀香織さんではなく、さとゆみさんが1日ママを務める「さとゆみナイト」。
以前、編集者の方のトークイベントを聴きに行ったとき、一度だけご挨拶したことがある。ちらっと。有名な方だから一方的に知っていた。さとゆみさんのご著書も何冊か読んでいる。
その日は「文学フリマ京都10」の日だった。
さとゆみさんが出店しているのも知っていた。
お店、さとゆみさん関係者で混んでるだろうな、と思った。
3日前に初来店したばかりだけど、なかなかない機会。
入れなかったら、それはそれで。
そんな気持ちで向かった。
案の定、人は多かった。
でも、早く来ていた方が席を譲ってくれて、入ることができた。
親切な方たち。

名前だけ知っていた方と挨拶をした。
まったく知らない方とも話した。
持参したさとゆみさんのクラファン特典のZINEにサインをもらった。
その場で、新作ZINE『舌を抜かれる』も購入した。

その流れの中で、東京に住んでいた頃つながりがある方たちと、数年ぶりに再会した。
彼らも文フリの帰りで。
京都で。このタイミングで。ここで。
そんなことって、あるんだなと思った。
私は東京で編集の仕事をスタートした。
だから、同じ業界、同じ世代の人たちに京都で会うというのが、なんだか不思議で、そしてうれしかった。
新しい人と会って、昔の知り合いと会って、人と人をつないで、また、自分もつながっていた。
結局、思ったのはこれだけ。
「行ってよかった」
「顔を出してみてよかった」
動いてみると、説明できないけれど、「何か」が起きる。
そんな夜だった。
Text / 池田園子
【関連本】『書く仕事がしたい』
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