執着を手放す勇気が、新しい扉を開く

離婚を間近に控えた知人がいます。お相手と合意の上、「今の自分たちは中途半端な関係だから、お互い新たな恋愛・結婚へ向けての活動は自由にやろう」というステータスになっているそうです。

最近、その知人から「久しぶりに気になる人ができた」と聞きました。知人は真面目な方であるため、今のお相手以来の恋愛。お互いに「デート」とは明言していないけれど、共通の趣味の場で出会い、ふたりで食事に行く機会を何度か重ねているそうです。その話を聞いたとき、私は自分のことのようにうれしくなりました。

「この人のことを好きになっているかも?」という時期特有のときめき。これは本当に限られた時期に湧く特別な感情だと思います。次に会えるのが楽しみで仕方がなく、仕事などでトラブルがあってリスケに……となれば残念で仕方なく、落ち込むレベルになる。その感情の揺れ動きを味わえるのもそのときならでは。

落ち着いてしまったら、凪のような気持ちが続くだけです。ゆーらゆら。それはそれで非常に楽でリラックスできて、とてもありがたい状態ではありますが、初期にしか抱けない想いにも大きな価値があります。「今を思い切り楽しんでほしい」――そんな気持ちでいっぱいになりました。

その方は「手放す」という決断をしたからこそ、新しい出会いが訪れたのだと思います。「何かを手放すと新しいものが入ってくる」とは多くの人が言うことですが、これは真理なのでしょう。抱えたままでは余白がなく、新しい何かを迎え入れることはできません。

執着や我慢から生まれる関係性は心をすり減らし、不機嫌さを生み出してしまいます。そして、その不機嫌は当事者の前だけでなく、別の場にも影を落とし得る。

だからこそ、手放すことはすこやかさを取り戻すために必要な行為なのだと思います。いらなくなったもの、持ち続けてはいけないものを手放す勇気が、次の扉を開く鍵になるのです。

知人のよき出会いが素晴らしい形で発展し、日々を輝かせてくれるように。その幸せを心から応援しています。

Text / 池田園子

【関連本】『いま、死んでもいいように 執着を手放す36の智慧

毎日をもっと楽しむヒントをお届けします。
「SAVOR LIFE」では、生活をより豊かにするためのアイデアや情報を発信しています。会員様限定のお知らせや限定コンテンツをニュースレターでお届けします。ご登録ください!