
今月、43歳の誕生日を迎えました。
厚生労働省の発表によると、2024年の日本人女性の平均寿命は87.13歳。ちょうど折り返し地点にきたことになります。普段は年齢を重ねることに特別な感情を抱かないのですが、せっかくの機会なので、改めてこれからの生き方について考えてみることにしました。
私は家族や友人に恵まれ、仕事もおもしろく、充実した日々を送っています。にもかかわらず、40歳を過ぎた頃から「生きるってしんどい」「全部やめてしまいたい」と、ふと思うことが増えてきました。心を満たすはずの楽しさが、いつしか心の疲労に変わっていくような感覚です。
関わる人が増え、世界が広がるほど楽しさと同時に疲れも増していきます。特に子どもが生まれてからは、自分の意思とは関係なく人間関係が広がりました。私は元来、社交的なタイプではなく、一人でいることが好きな性分です。自分の力量に対して交友関係が広がり過ぎたのか、はたまた長年無理をして繕ってきた社交性のつけが今になって回ってきたのか……。人間関係において頑張りすぎていたのかもしれません。
だからこそ残りの人生では、ともに過ごす人を選ぶ必要があると気付きました。
「なんとなく」を断ち切る勇気
「波風を立てるくらいなら自分が我慢すればいい」と考えていた部分があります。苦手な相手とは、関係をよくするための話し合いすらしたくない、と思うほど一度嫌いになった相手とは関わりたくないのです。そのため、見て見ぬふりをしてやり過ごし、自然を装ってフェードアウトする道を選んできました。
しかし、こちらの思いは相手に通じていないため、何度も関わることになり心が消耗していました。
そこで最近では、嫌なことははっきりと伝え、それでも変わらないようなら付き合いを終えるようにしています。相手を変えることはできないので、自分が変わるしかありません。自分を変えてまで付き合いを続けたいと思えない相手との関係は、終わらせることにしました。
その結果、数人との縁は切れてしまいましたが何も困っていません。いなくなった空間には、喪失感ではなく心地よい静けさが残りました。一緒にいるときは必要だと思っていた相手でも、いざいなくなってみると不思議とすぐに慣れるものです。
過去の恩義か、未来の私か
過去にお世話になった相手との縁を切るのは、特に難しいものです。嫌に思うことが増えてきても、自分がしてもらったことを考えると無下にはできず、ズルズルと付き合いを続けてしまいます。
しかし、その考えは危険な落とし穴でした。過去の恩義に囚われてしまうと、未来の自分のことを考えられなくなるのです。
「自分の未来に、その人はいてほしいのか?」
私が考えるべきは、過去ではなく、これからどう生きたいかという未来の私。そう自問すると、おのずとどう動けばよいのか、答えが見えてきます。
これからの時間は、本当に好きな人と過ごすために使います。無理に広げようとせず、本当に気の合う人だけとのつながりを大切にする。新たに仲良くなれる人ができたら、それはラッキーだと思うようにしています。くだらない妄想話で心から笑い合える時間や、何も話さなくても心地よい静けさを、なによりも大切にしたい。
会いたい人に会い、そして誰にも邪魔されない自分の時間を楽しむ。私の43歳は、こんな穏やかな気持ちでスタートします。
Text / Asako Yano
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