打ち水が日課に。涼しさを自分でつくる

京都に引っ越してから「打ち水」をしている光景に出会うようになりました。家や店の前で水を撒いて涼を呼び込む姿を見かけます。そんな風景になじむうちに、私たちの家でも打ち水をするようになりました。

始めたのはパートナーのTAROです。6月半ば頃「お風呂の残り湯を撒こう」と言い出し、浴槽に残ったお湯を桶に入れて家の外へ運び、室外機にかけたり、玄関先に撒いたり。特に室外機に水をかけると冷却効率が上がるらしい。確かに、室温が約1度下がることもあります。

以来、打ち水が日課になりました。お風呂上がりに「私が撒きに行く」と宣言し、室外機や家の壁、コンクリートの部分にバシャッと水を撒く。そんな一連の動作が、今では楽しい時間になっています。一軒家で撒ける範囲も広いので、3〜4回ほどお湯を運び出して水撒きをするのが習慣となりました。ホースなどはないので、手動で非効率的ですが。

(マンションでも打ち水は可能で、ベランダに撒くと全然違うようです。友人の矢野麻子さんがスタエフで紹介していました)

昼間、ふと思い立って水を撒きたくなるときは、キッチンのシンクにかけている雪平鍋に水を汲み、さっと撒きに行くこともあります。除湿機に溜まった水があれば、それを有効活用します。二次利用水を使うのが基本です。

打ち水は日本の知恵として昔から受け継がれてきたものですが、実際にやってみるとその効果を実感します。「気分」によるところも大きい気はしますが。アスファルトやコンクリートに撒かれた水が気化することで周囲の熱を奪い、温度が下がって涼しく感じられる仕組み。理にかなった涼を取る工夫ですよね。

冷房のように即効性があるわけではありませんが、自分の手で「涼しさをつくる」という感覚が心地よい。水を撒いた直後に空気がちょっとかろやかになるような、ほんのりとした涼しさ。わずかな変化を味わうことが、日々の暮らしの中にひとつの楽しみを増やしてくれています。

これからも「撒けるところがあるならどんどん撒こう」と思いながら、打ち水を楽しむつもりです。日本の伝統的な涼の知恵が、今の暮らしの中でもしっかりと息づいていることに、ささやかな誇りを感じつつ。

Text / 池田園子

【関連本】『暮らしのアイデアスイッチ

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