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ノートにも、相性があった

ノートはこれまで、中身をあまり気にせず選んでいた。表紙のデザインとか、紙の質感とか。手に取ったときの雰囲気で選ぶことはあったけれど、中のタイプをちゃんと見て決めたことは、ほとんどなかった。気づけば、だいたい罫線のノートを使っていた。無地、罫...
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柑橘の大トロと悪魔合体のあいだ

2月は、言葉の当たり月だった。これすごい! と一瞬で心を持っていかれる言葉にいくつも出会って、そのたびにノートを開いて書き留めていた。あとから見返してみると、内容というより「言葉そのもの」に心が動いているのがわかる。たとえば、「柑橘の大トロ...
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「こんなに違うの?」から始まった話

少し前に、「日本語って難しいよね」という話を、アメリカから来た人としていた。彼が日本語の「数え方」を勉強していたときで、「こんなに違うの?」と驚いていた。たしかに、卵は一個、ペットボトルは一本、家は一軒、車は一台、人は一人。ここまではまだい...
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「使ってみる?」から始まった、小さな循環

2年前に読んだ『ギフトエコノミー』。そこに書かれていたのは、お金を使わない暮らし、ではなかった。もっと根本的な話だった。人は本来、「与える」「受け取る」「分かち合う」ことで生きてきたということ。必要な物を、買うのではなく、回してきたというこ...
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うまくいっているときには、見えないこと

これまでの仕事のなかで、ふと思い出す出来事がある。言葉そのものというより、その奥にある前提のようなものが、すっと見えてしまった瞬間。きっと、悪気があったわけじゃない。ただ、その人にとっては、それが当たり前だったんだと思う。でも、その当たり前...
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この街に、知っている人が増えていく

「京都100人カイギvol.14」に参加してきました。「何のカイギ?」と思う方もいるかもしれません。私も、つい先月まではそうでした。「100人カイギ」を知ったきっかけは、福岡に住む面白ニキ・きむ兄さんの投稿です。彼が「この本のブックライティ...
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家のパンは、これでいい

食べたいと思ったとき、家でパンを焼いている。といっても、いわゆる「丁寧なパンづくり」ではない。思い立ったときに、さっと。1時間で終わるものだけ。何時間も発酵させて、工程を重ねて……というのは、どうも違う。「家のパン」はもっと気軽でいい。むし...
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届かないかもしれない言葉を、それでも置く

ふと目に入った文章に、少しだけ引っかかった。「23時過ぎに走りに行く」と書かれている。しかも、イヤホンをつけて音楽を聴きながら。それを読んだとき、頭の中ではずいぶん乱暴な言葉が飛び交っていた。「アホかーい」「危ないに決まってるだろうが」でも...
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50円の前で、立ち止まれた日

上七軒通に、ちょっと気になる場所がある。北野天満宮東門から、今出川通りへと抜けていく、京都の、あの花街の空気をまとった通り。観光地のにぎわいとは少し違う、時間の流れがゆるやかな、あの通り。その通りの、今出川通りに近いほうの端っこ。少しだけ空...
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妖怪である、という前提で

5月で40歳になります。数字だけ見れば立派な大人のはずなのに、中身は追いついていないと感じることばかり。昨年から、大学生やひとまわりくらい年下の人と関わる機会が出てきました。初回は、少なくとも私のなかでは、わりといい感じに話せるんです。「あ...