ときどき、思い立ってお菓子づくりをする。市販のスナック菓子や甘いお菓子の代わりに、朝食や昼食の一部としても楽しめる、低脂質なおやつの手づくりである。参考にしているのは、矢野麻子さんがイチオシするレシピ本『とびきりてがるなおやつ』。材料も工程もシンプルで、思い立ったらだいたいつくれるところが気に入っている。
昨日つくったのは、おからを使った焼き菓子だった。生おから100グラムに米粉100グラム、卵を1つ、ベーキングパウダーを加え、甘味にはメープルシロップの代わりにラカントを使う。それらを混ぜ合わせ、クッキーのような形に整えて焼くだけ。本には型で抜くと書かれていたけれど、型がないので、適当に丸めて平らにした。こういうところが、いかにも手づくりらしい。オイルは大さじ1も使わない。焼き上がったそれは、ふっくらとして、素朴で、しみじみと美味しかった。

仕上げにジャムをひとさじ、あるいは蜂蜜を少しのせる。口に運ぶたび、「いいものを食べているな」という満ち足りた気持ちが広がる。市販の高脂質なお菓子を、もう2週間近く口にしていない。結果として食費も減ったし、身体に必要なものを自分の手で選び取っている感覚がある。
もちろん、身体は一朝一夕で変わるものではない。それでも、こうした小さな積み重ねが、未来の自分をつくっていく。
そして、おやつづくりにはもうひとつの喜びがある。何度も書いているように、それは、慣れていないことに挑戦する楽しさだ。いつもの料理ばかりをつくっていると、安心感はあるけれど、進化は少ない。だからこそ、ささやかであっても新しいことに手を伸ばす瞬間には、創造のよろこびが宿る。
身体が喜ぶおやつをつくること。そして、新しいことに挑戦すること。オーブンから漂う香ばしい香りの中で、その二つを両方叶えていることに、小さな幸せを感じた。
Text / 池田園子
【関連本】『とびきりてがるなおやつ』
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