考え方

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柑橘の大トロと悪魔合体のあいだ

2月は、言葉の当たり月だった。これすごい! と一瞬で心を持っていかれる言葉にいくつも出会って、そのたびにノートを開いて書き留めていた。あとから見返してみると、内容というより「言葉そのもの」に心が動いているのがわかる。たとえば、「柑橘の大トロ...
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「こんなに違うの?」から始まった話

少し前に、「日本語って難しいよね」という話を、アメリカから来た人としていた。彼が日本語の「数え方」を勉強していたときで、「こんなに違うの?」と驚いていた。たしかに、卵は一個、ペットボトルは一本、家は一軒、車は一台、人は一人。ここまではまだい...
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うまくいっているときには、見えないこと

これまでの仕事のなかで、ふと思い出す出来事がある。言葉そのものというより、その奥にある前提のようなものが、すっと見えてしまった瞬間。きっと、悪気があったわけじゃない。ただ、その人にとっては、それが当たり前だったんだと思う。でも、その当たり前...
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50円の前で、立ち止まれた日

上七軒通に、ちょっと気になる場所がある。北野天満宮東門から、今出川通りへと抜けていく、京都の、あの花街の空気をまとった通り。観光地のにぎわいとは少し違う、時間の流れがゆるやかな、あの通り。その通りの、今出川通りに近いほうの端っこ。少しだけ空...
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「おかげさま」でできている

「あのとき、本当はこうしたかったのに」「でも、あの人がああだったから」そんな言葉を、ふと耳にすることがあります。直接、自分に向けられた言葉ではないのに、なぜか心に引っかかる。そして思うのです。——それって、ちょっとしんどい生き方だな、と。誰...
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ここにいていい、と思えること

家を出たあとでした。靴を履いて、ドアの前に立った、その一瞬。近所に住む、アメリカ出身の彼が、私とTaroに向かって言いました。「Micasaessucasa」ミ・カサ・エス・ス・カサ。直訳すると、「私の家は、あなたの家」。意訳すると、「いつ...
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世界を少し単純にしてみる

「シンプルに生きたい」と、私はずっと思っている。余計なものを持たず、考えすぎず、迷わずに生きたい。できる限り。けれど現実は、そう簡単ではない。感情が入り込んだり、状況に引きずられたり、ときに「すぐやる」を先延ばしにしてしまう自分がいる。そん...
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合うか、合わないか

ああ、そうだったのか。店に入った瞬間、「あ」と小さく思った。この店に来るのは、二回目だった。最初に来たときは、そんなこと、まったく気づかなかった。早い時間で、店内には私とTaro、そしてもうひとり、男性がいるだけ。誰もタバコを吸っていなかっ...
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私はもう「推し活」をしていない。でも、応援はやめていない

特定の音楽家を熱烈に応援し、“海外遠征”にまで行く、いわゆる推し活をしている年上女性から、「池田さんも推しがいると人生楽しいよ」と言われました。その方が指しているのは、世の中で一般的に言われる「追いかけるタイプの推し活」です。『イン・ザ・メ...
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「あなた“が”いい」と言われた日から

「パートナーから『どうしてあなたは私(僕)と一緒にいるの?』と聞かれたら、どう答える?」先日、親しい人と何気ない話をしているときに、こんな問いがふと話題に上りました。パートナーとそんな話になったそうです。皆さんなら、どんな答えを返しますか?...