article 私たちをつなぐ黒い糸 時々、無性に孤独な気持ちになることがある。言いたいことがうまく伝わらなかったとき。みんなが何事もなく後ろに流した一瞬の感情を、自分だけが最後まで手放せなかった日。大きな歯車の中に入れられて、自分の意思や意見を求められることなく進んでいるなと... 2025.04.10 article
article 私を忘れられないNくんについて 誰しも忘れられない人がいる。大学を卒業し3年経ったある日、携帯に知らないメアドからメールが届いた。身構えつつ開封すると、大学時代の同じゼミ生のNくんだった。「元気? Nやけど覚えてる?」。正直、Nくんのことはあまり記憶になかった。いつも古着... 2025.03.10 article
article 私が失った何かの話 蛇口を捻ると思うことがある。まだ水道がない頃は、きっと川まで水を汲みに行っていたのだ。近くならいざ知らず、片道数十分かけて汲んでいた家もあったに違いない。その仕事はもしかすると子どもが担っていたのかもしれない。道すがら同じように水甕を持つ友... 2025.02.11 article
article 私を救った上沼恵美子 みんながどんどん先へ行き、置き去りになっている気分になることがある。二人目の育休中だった。今となっては昔の話だけど、私の育児期間は「赤ちゃんとの幸せなひととき」とは程遠い、ひどいものだった。親元が遠く、頼れる相手も近くにいなかった。上の子の... 2025.01.10 article