37歳でワンルームに住んでる予定じゃなかったけれど

若いときに立てた人生計画はほぼ妄想。思い通りにいかないのが人生だと思っています。

私の場合、30代後半では、独り身だと2LDK、パートナーと同居だと3LDK以上の部屋に住んでいる予定でした。

LDKにはL字型の大きなソファ、アイランドキッチンがあり、洋画に出てくる部屋のように洗練されています。寝室にはダブルベッド、仕事部屋には大きなデスク。生活感は削ぎ落としたホテルのようなイメージ。

ここからが現実の話です。37歳の今、私が住んでいるのは30平米未満のワンルームマンションです。LDKのLの字もなければ、ソファはないし、食・働・寝の要素が1ヶ所に集まっています。

あのときの妄想とはかけ離れた部屋に住んでいます。ただ、この「凝縮感」が心地よくて気に入っています。ここにたどり着くまで、いろいろな部屋に住んできました。

大学生のときは15平米のロフト付きワンルームに、会社員時代もはじめは同程度のワンルームに住んだ後、33平米の1DKに引っ越しました。

結婚していたときは54平米の2LDKに。別居〜離婚後は35平米の1DKに住み、更新を待たずに引っ越したときはミニマリストを目指し、30平米以下のワンルームを選ぶも、狭さにストレスを感じて数ヶ月で引っ越すことに。人生で初めて物件を更新するほど愛した、東京・駒込にある37平米の1DKへと。

1DKだから寝室/キッチン、仕事場(大きなテーブル)と生活空間を分けていました。それはそれで快適です。

でも、ドラム式洗濯乾燥機を買って室内に洗濯物を干す必要がなくなってから、もっと小さな部屋で事足りるのではと考えるようになっていました。それまでは寝室の窓際に縦50センチ、横1メートルくらいの洗濯干しアイテムを置いていましたが、それが丸々不要になって床がドーンと空いたんです。

加えて引っ越しを決めた後、不要なものを周囲に譲り渡したり、店に売ったりする中で、重厚な本棚はいらない、食事・仕事用を兼ねるテーブルもここまで大きくなくていいなど、暮らしに関わるものたちをもっとコンパクトにできると気づきました。

テーブルなんて横160センチ、縦70センチの巨大なものを使っていましたが、広さに甘えて面積の3分の1近くは荷物置き場になっていました(スペースが空いていると書類や郵便物を溜めたり、本を積み上げたり、何か置いてもいいと思ってしまう悪いクセ)。

そうやって生活面を見直すと、ひとり暮らしで荷物を減らした私の場合、30平米以下のワンルームで十分でした。

テーブルはCreemaで、ここママさんの作品「カントリー風ダイニングテーブルセット」を買いました。天板はスタイリッシュながらも温かみのあるウォールナット、脚はホワイトで爽やかな見た目が気に入りました。

画像提供:ここママさん

横100センチ、縦50センチと、以前のものより遥かに小さくなったテーブルは食事・仕事を兼務。注文時は「やっぱり小さいかな?」と思うこともありましたが、届いて使い始めてからはちょうどいいサイズだと感じています。

食事のときはスタンディングワーク用に乗せたテーブルをどかす手間はあっても、その度にテーブルを拭き上げることになるので、きれいな状態を保てるメリットもあります。人を招くなら1名が限界ですが、ふたり分の食事を並べることはできます。

寝床はすのこベッドにマットレスを置いています。目線が低いせいか圧迫感はなく、狭さを感じません。

エアコンの効きも早いし、3分もあれば室内の掃除機をかけ終わるし、小サイズの部屋はいいことづくめ。

今の自分の「適切な暮らしのサイズ」を見つけたら、背伸びすることも見栄を張ることも必要ないと分かりました。

Text / Sonoko Ikeda