味噌汁はどこまでも自由

パプリカの味噌汁」に関するちなみさんのエッセイを読んで、味噌汁について書きたくなりました。

味噌汁はとてつもなく懐の深い料理だと思っています。というのも、どんな食材を入れても味噌汁という一品が見事に成立するからです。

18歳まで実家にいたときは、味噌汁の具材といえば葉物野菜や根菜、玉ねぎ、豆腐、油揚げなどが定番でした。 

大人になり、自分で料理を工夫するようになってから、何もかもが具材になると気づきます。

たとえば、オクラやキャベツ、かぼちゃあたりは一般的かもしれませんが、トマトやきゅうり、ズッキーニ、ピーマンなどを入れることもあります。

葉物野菜でもいろいろと試してきました。空芯菜や青梗菜、ほうれん草、ケール、レタスなど。合わないものはありません(あくまで私の感覚として)。

たんぱく質を多めにしたいときは、豆腐の代わりに変わり種としてサバ缶を入れることも。豆乳をベースに作ることもあります。

味噌汁の出汁の取り方は数ヶ月前から変わりました。ひとり暮らしをしているおしゃれなおじいさん友達から聞いた方法を取り入れています。

瓶やタッパーに昆布と水を入れて冷蔵庫に保存。それを使う分だけ小鍋に取り、具材を入れて火にかけ、味噌を溶かして終了です。

冷蔵庫に余裕があれば、煮干し出汁も作っておいて、そのときの気分と好みに合わせて使います。 

それまでは、お椀に具材となる野菜や1食分の味噌、煮干し数匹を入れた後、熱湯を注いでかき混ぜて、しばらくしたら煮干しを取り出すという方法をとっていました。 

この「即席味噌汁」は稲垣えみ子さんの『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』を真似したものでした。

奥深き味噌汁の世界。青果店で野菜を眺める度に、今日はどんな味噌汁にしようかと、イメージするだけでわくわくしてきます。

Text / Sonoko Ikeda