自分探しではなく、自分は何が好きなのか(正確には、今、何が好きなのか)探しに効く、器探し・器選び・導入というワンアイデアです。
インテリアやキッチン雑貨、洋服などをセンスで選び、こだわりを持つ母の影響で、10代から暮らしまわりのアイテムが大好きでした。
誰に影響を受けたのかと訊かれて、名前を挙げるならば、堀井和子さん、伊藤まさこさん、雅姫さんの3人。
お三方ともそれぞれ、海外にも精通しながら、インテリアから洋服、食材選び、文章や写真の編集やデザインにまで審美眼を持ち、書籍や雑誌でファンを増やし続けていますが、
中でも食器のスタイリングは、10代、20代の頃から私の心を射抜き、何年経っても書店や自宅の本棚の前で本を開いて見る度、ため息が出てしまいます。
進路選びの際にスタイリストを志望したわけでもなく、誰かに直接師事した経験もありませんが、まだSNSの黎明期、自己流でテーブルまわりをスタイリングして撮影し、ブログに綴っていた時代もありました。
何かきっかけがあって、今また食器に目覚めたというわけではありませんが、ふとそれが自分の「好き」や「軸」を見つけるにも有効な手段なのでは、と思えたのが最近です。
まだまだ駆け出しですが、30代になって何となくよかったと思えることは、10代、20代「いいな」で買っていた状態から、自分の欲しいものの解像度が上がったことで、モノとも出会いやすくなり、選びやすくなったということです。
店頭で見つけるもよし、オンラインでじっくり探し、またひとつとない作家モノを取り入れるもよし。
今の自分の家に似合うものはどれか、自分らしさとも向き合いながら、どれが自分らしさ(を象徴する)だろうか? と、色や形を選んでいく作業は、なかなか楽しいものです。
「高いか、安いか」「ブランドか」という価格やネームバリューはあまり関係ありません。何かひとつ「新しい」ということがポイントなのです。
カレンダーをめくるタイミング、またひとつ新たにピカピカ、キラキラの(文字通り、金色に輝く)ひと揃えシリーズものの食器を一式、思い切って数点一気に導入しました。
「ライフハック」というほど大それたものではありませんが、何でもない1日にひとつやふたつ新調して食卓にのせるだけで、盛り付け、食べる、洗うというありふれた家仕事をする活力と喜びを与えてくれます。
食器改革は、何か気分や気の流れを変えたいときや、健康上、何らかの理由で食欲を失ってしまって悩んでいるという方にも私からおすすめしたい、今すぐできる暮らしの中のワンアイデアです。
Text / Anna Koshizuka
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