来客があるときは「貸し布団」を手配することにしています。
貸し布団はとても優れたサービスです。
30平米もないコンパクトなワンルームマンションにひとりで住んでいて、泊まっていく人も(滅多に)いない私の家には、来客用の布団はありません。
マットレスもセミダブルサイズ。パートナーが来ても一緒には眠れませんし、彼の家で過ごすときも私たちは別寝スタイル(別々の部屋で眠る)です。
キングサイズくらいの広々マットレスであれば、同寝できるのかもしれませんが、私はひとりで寝るほうが眠りの質が上がると考えています。
この思想は10年くらい前に結婚していた当時から変わりません。幸い、彼も同じく「ひとりで寝たい」派でした。
そんなわけで、彼が福岡に来たときは、貸し布団の出番です。薬院の「貸ふとん 大ヤブ」に羽毛布団セットを依頼。無料で配送してくれます。
毎回3〜4泊程度していくため、一回につき5,500〜6,500円程度のコストを、彼が支払っています。
「残りはお友達と美味しいものでも食べて」と、いつもふとっぱらに1万円札を渡してくれるので、「布団手配係」はなんともいいアルバイトだと思います。
以前、彼は福岡に来るたびに、福岡市内のホテルをとっていました。
私たちは別室で寝ることに慣れているので、ワンルームの小さい部屋にふたりがいると、たとえ布団を離しておいても寝息などが気になって、眠れなさそう……という理由で。
それがいつしかうちでの「同室・別寝・貸し布団」に慣れ、私が小さな灯りをつけて本を読んでいても、彼はすやすや眠るようになっていました。
宿泊代も高騰しているので、仮に1泊10,000円〜となると4泊した場合、40,000円を超えてしまいます。なかなかのコストです。
それに対し、貸し布団であれば1泊1,000〜1,500円ほど。なんとお手頃なのでしょう。私も滅多に使わない客用布団を所有しなくてすむので、ありがたいところ。
もうひとつ、いいなと思うのは「合宿所みたいな部屋」になることです。
あまりモノが多くないこともあり、ひとり暮らしだとフラフープエクササイズができるほど十分な広さがありますが、貸し布団を敷くと足の踏み場が少なくなります。
私のマットレスの足元近くに、彼の頭があるような位置関係。学生時代の林間学校や泊りがけのイベントを思い出します。
当時は憂鬱なこともありましたが、今は「気の合う楽しい人と一緒に合宿気分」を味わえる点で、むしろその狭さが心地よくていいんです。
貸し布団なるサービスがあるのを教えてくれたのも彼。
ほかにも、物知りでしゃれたモノにも詳しい彼のおかげで、いろいろないいサービス・製品に出会えています。それらも追々取り上げていきます。
Text / Sonoko Ikeda