うちの家電で最も高額なのは、2021年から使っているシャープのドラム式洗濯乾燥機(※)です。17万円台(購入当時の価格。現在は下がっています)の大きな買い物でした。
※こちらは洗濯7kg/乾燥3kgのひとり〜ふたり暮らし向けのコンパクトなタイプなので、たいていの洗濯機置き場に設置できると思います
4〜5万円台の縦置き型洗濯機に慣れていたので、けっこうな支出だなあと感じたものの、買って正解でした。満足度が高い理由は大きくふたつあります。
第一に、乾燥機にかけた後のタオルのふわふわ、しっとり、もちもち感。それで顔や身体を拭くだけで、やさしい何かに包み込まれるような幸福感を味わえます。独特のやわらかさ、まろやかさは自然乾燥で再現するのは難しいと思います。
ひとり暮らしをしてからはたいてい部屋干しでしたが、タオルはパリッとカタめな質感に仕上がっていました。ドラム式洗濯乾燥機での仕上がりとはかけ離れています。同じ乾燥でも別物なのでしょう。
このスペシャルな触感を一度でも味わうと、もう元には戻れなくなりそう。タオルがふかふかとしているだけで、ここまでいい気分になれるとはそれまで想像もしていませんでした。
第二は、床に置く室内干し用の器具が不要になったこと。以前は洗濯物を干すたびに縦100センチ横50センチくらいの器具を広げて、その分床が狭くなっていたのですが、ドラム式洗濯乾燥機を購入後、その器具は手放しました。
乾燥機にかけないおしゃれ着やランジェリー、よそ行きのパンツ、スカート、気に入っているトレーニングウェアなどは、ハンガーにかけてカーテンレールに干します。
生活感が一気に出ますが、夜寝る前に部屋干しすることが大半なので、誰に見られるわけでもありません。「乾燥しがちな部屋の湿度上昇に貢献してくれている」とプラスに捉えています(笑)。
以前ミニマリスト熱が高まり、1DKから1Kの部屋に引っ越したときも、ドラム式洗濯乾燥機を持っていたら「圧迫感がすごいから、ここに住むのはもう無理」と音をあげることはなかったと思います。当時は縦置き型洗濯機を使い、ベランダも狭かったことから室内干しをしていました。
でも、1Kの部屋は大きなテーブルとマットレス、本棚を置くとさほど余裕がなく、さらに室内干し用の器具を置くと足の踏み場がほぼなくなりました。極端な狭さはストレスのもとです。
その点、ドラム式洗濯乾燥機を使うと、室内干し用の器具が不要になるため、室内を広々とした環境に保ってくれる効果がある気がします。
ドラム式洗濯乾燥機の利点として「洗濯物を干す手間がなくなった」こともよく言われますが、私はそれについては特に何も感じていません。
というのも、洗濯物を干す工程は「好き」なんです。数ある家事の中でも楽しい方だし、洗濯の工程(洗濯機に入れる・干す・取り込む・たたむ)の中では一番気分が上がる内容だったんです。
タオルの両端を持って空中でパンパンと縮みを取り、まっすぐ平らになった状態で物干しに掛ける瞬間は快感でした。心までシャキッとする時間。
対して、たたむ工程は嫌いです。乾燥が終わると洗濯機の扉は開けるものの、次の洗濯をするまで中身はそのまま、ということも(良い子は真似しないように)。
洗濯物がふかふかと温かいうちにたたむのが一番気持ちいいとは分かっているはずなのに「洗濯物たたみ嫌い」な自分がときどき顔を出すのでした。
Text / Sonoko Ikeda