布団に入ってから必ずすることがあります。いくつかありますが、今日は「手のひらを上に向けること」について。手のひらは掛け布団と接した状態です。
人は身体の構造や行動上、身体の前面を使うことが多いです。PCやスマホを操作するとき、食事をするときなど、手や腕を使っているときは、肩が内側に入りやすくなります。
何か作業をしているとき、肩周りはぎゅっと固まって縮こまっていることが多いと思います。と同時に、背中は少し丸くなってしまうのです。
では逆に、意識して肩を外側にひらいてみると? 立った状態でもいいです。やってみてください。
体側(たいそく)にまっすぐ添えた腕を90度返して、手のひらを正面に向けたとき、肩が外側にひらいて首が長くなり、目線は上がり、胸(大胸筋周り)やデコルテが広がっていきます。
背中では肩甲骨への意識が強くなります。ふたつの存在感のある骨がぐっと動いて中央に寄るのを感じられます。
このとき姿勢が良くなっていることもあり、呼吸をしやすくなるはずです。前屈みの状態と比べると身体が遥かにひらいているからです。
布団に入って寝転んだ状態で、この姿勢をセットします。全身がのびのびと開放され、セミダブルのマットレスでも「広いところで眠っているみたい」と感じられます。
最初だけでもいいんです。寝姿勢は絶えず変化していき、起き抜けの手のひらの向きはどうなっているか……私も全然意識がありません。
ひらく動作、開放感を味わえるのでおすすめです。こんな単純なことで、布団に入った後の幸福度が上がるのかとびっくりされると思います。一度お試しください。
Text / Sonoko Ikeda