消えた性欲のゆくえ

私の性欲、どこかにいってしまったかも——。37歳になって1ヶ月と少し。明らかな変化を感じています。

20代後半〜30代半ばは真逆でした。自分にとって、セックスそのものがとても大事な行為だったんです。

「たくさん、いろいろな経験をしたい」という強い感情に突き動かされていたと思います。

ところが、今は。「してもいいし、しなくてもいいこと」に変わりました。

「したくないこと」ではありません。大事な人とのスキンシップ、コミュニケーションの一種、快楽を伴う時間である、という捉え方をしています。

ただそれは、一緒にごはんを食べたり、マッサージをし合ったり、ごろごろしながら話をしたり、同じ空間にいながら互いに別のことをしたり、というのと同列な、なんら特別でもないことです。

しても、しなくても自分たちの関係性は変わらないし、しなくても愉快な時間を過ごせる。それを確信しています。

代わりに、どんな欲が出てきたかを考えてみました。

健康な身体を維持するための睡眠欲、執筆をはじめとするものづくり欲、読書をはじめとする勉強欲、これまでしてきた仕事とは違うことに手を出したい未知の仕事欲といったところでしょうか。

この「SAVOR LIFE」立ち上げ後、毎日記事を更新しているのも、執筆欲の為せることなのだと思います。

ただ、人は変わっていきます。常に変化しています。だから、また性欲が活発になることもあり得なくはないはずです。

これからも自分の変化を客観視して、面白がりながら生きていきたいと思います。

Text / Sonoko Ikeda