悪口を言わないけど、言われたい

先日「適性検査」を受ける機会がありました。就職活動以来くらい、かなり久々で「む、難しい」と感じる問いも少なくありませんでした。

後半に受けた、個人の性格・思考を知る検査の中で、「人の悪口を言ったことはありますか?」との問いが出てきて、瞬時に「はい」を選択しました。

「でも、だいぶ昔の話ですからね」と心の中で補足しつつ。いい大人になってから、人の悪口を言わなくなりました。

それをネタにしても面白くない、他人の動向に興味がない、ほかに話したいことがあるなど、いろいろな理由がありますが、悪口を口にする発想がなくなっています。

私には私のやることがあり、目の前にいる自分が「会いたい」と思って会っている人とは、その人だからこそ話せることを話したいのです。

そこに、他人の悪口が入ってくる隙間はありません。目の前の相手に集中していると、ほかの人のことはすっかり忘れています。

たいていの人は他人に関心を持っていません。一番興味があるのは自分自身ではないでしょうか。私もそうです。

「自らの人生をいかに楽しむか、生きている間いかにより良く過ごすか」というテーマを持って生きています。

とはいえ、ひとりで生きているわけではありませんから、周囲の人々との関わりが外せません。となると、今共に過ごしている人と、いかにいい時間を過ごすかが重要課題に。

昔はなぜ悪口を言っていたのか考えると、単純にひまだったのでしょう。そして、目の前の人に集中していなかったのだろうと思います。

そばにいる人のことを見ていれば、その人を主役とする会話になるはずで、そこにいない人の悪口が出てくることはないと思うのです。

一方で、「悪口を言われたい」とも思う自分がいます。まったく話題に上らないのは、存在しないのに近いです。

多少悪口を言われるくらいの方が、活躍している・爪痕を残している証のような気もするんですよね……。

Text / Sonoko Ikeda