ひとりでいても寂しさを感じない生き方

「寂しい」と感じる瞬間がありません。ひとりでいても、誰かといるときも、寂しさという感情とは縁のない状態です。

ひとりでいるのも、自分が一緒にいたいと思う誰かといるのも、どちらも楽しい時間。両方必要な時間で、どちらが欠けてもバランスが悪くなります。

ただ、基本的にはひとり暮らしということもあり、ひとりでいる時間は長い方だと思います。

それでも毎日行く場所があり、やりたいこと、やること(やらなくてはいけないこと)があり、読みたいもの、見たいもの、調べたいこと、開拓したい店があり、寂しさを感じる暇がないんです。

単身赴任をしている方が「(家族と離れて別々の)週末が寂しい」と言っているのを見て、私にも夫や子どものいる生活が当たり前であったなら、ひとりになったときに寂しさを感じていたのかもしれないなあと思いましたが。

ひとりでいても寂しさを抱えない理由のひとつに、「人とコミュニケーションする機会を分散的に入れている」ことも関係していると考えています。

たとえば、福岡にいるとき毎週火〜金曜日はキックボクシングジムに行きます。毎回45〜60分ほどジムで過ごし、そこではトレーナーや会員さんと何気ない会話をします。

挨拶や雑談、たいしたことのない話……ささやかなやりとりでも、人と接して笑顔が生まれる機会は心身の栄養です。

オンラインで行うミーティングも、なるべく分散させています。1日に数件詰め込むよりも、毎日1件ずつある方が毎日人と話せるわけで、1日のコミュニケーション量が増えます。

対面で人と会うときも同様で、1日に何人もの人に会おうとはせず、できる限り1日1人、毎日誰かと会う……というように散らばせるよう試みています。

その方が毎日、小さな楽しみと出会えますから。毎日が必ず楽しいものになります。

私はひとりが好きですが、孤立して生きていくのは嫌です。

孤独な週末を自発的に選び、文化的なものに没頭して過ごすこともありますが、受動的な姿勢でいつの間にか孤独化していた……というのは自分の望む状態ではありません。

人との関わりを大切にしながら、ひとりの時間も楽しむ。どちらの味わいも欲しいので、欲張って生きていきます。

Text / Sonoko Ikeda