何にも期待しなければ疲弊しない

「期待」という感情は捨てました。

捨てたはずなのに、ときどきバグってしまい、期待を拾ってくるときがありますが、急いで捨て去るようにしています。

期待したところで、いいことはまず起きないからです。

期待とはひとりよがりな感情であって、他人が自分の望み通りに動くこと、物事が思い通りに運ぶことを勝手に想像しているだけ、と言っても言い過ぎではありません。

だいたいが期待通りにはいきません。他人は自分と思考回路や感性がまったく異なれば、触れている世界も違います。

そんなまったく異なる相手に「〜してほしい」と期待しても何の意味もないです。期待するだけ時間と感情の無駄。

物事も状況によって刻々と変わっていきます。たとえば、何か契約事を前にしたとき、契約が終わるまで安心もできません。

契約後ですら契約破棄になるかもしれない。それくらい、期待という感情と無縁で生きようと意識しています。

この姿勢は常に何かを諦めたり、ネガティブになったり、絶対無理だと決めつけたりするのとは違います。

何もかもが自分の理想通りに展開していくといった、おこがましさを持たないということです。

期待するあまり舞い上がったり、期待とは違う現実に触れて「怒」「哀」の感情に包まれたり……といった、ひとりで高揚したり嫌な気持ちを溢れさせたりしないようにする、ということでもあります。

先日もあることに対し、手放していた期待の感情が出てきて、イラッとした気持ちが発生したのに気づきました。

慌てて「期待しない期待しない」と唱えて、感情を修正して、平静さを取り戻しました。

何にも期待しないのが感情をぶらさない秘訣だと思います。

そして、期待しないほうが、あらゆる人や物事と向き合っていて、幸せを獲得できます。今日も期待せず、生きていきます。

Text / Sonoko Ikeda