超高級車を“鑑賞”して満足する

超高級車とはご縁のない私です。

そもそも自家用車を持っていなくて、車を運転する機会といえば、ご近所さんと一緒に出かけて途中交代してもらうか、カーシェアかレンタカーを利用するか、くらいしか選択肢はありません。

そんな私ですが「飛び抜けて高級な車」は本能的に分かります。「なんてかっこいいのか」と目の保養にすることがあります。

今日歩いていると、ツートンカラーの「メルセデス・マイバッハ」が視界に飛び込んできました。

寒色同士のクールな組み合わせは、車では初めて見るものでしたし、近年ベンツは飽きるくらいたくさん走っていますが、マイバッハは滅多に見られません。

とても存在感のある外観や希少性の高さから、なかなか目を離せませんでした。

運転者も洗練された人でした。そのマイバッハが似合う、とびきり素敵な女性。

全体的に目を惹く絵となり、それが駐車される様子を横目に通り過ぎたのでした。

後で調べてみると「メルセデス・マイバッハ GLS 600 4MATIC Edition 100」という、超限定品だったことが判明。

死ぬまでに一度助手席でも後部席でもいいから乗ってみて、乗り心地を体感したいなと祈りました。

さて、用事を済ませた帰り道。「まだ停まっていたら見たいなあ」と思い、来た道と同じ道を歩いてみたら、そのマイバッハが停まっていました。

やったー! と歓喜しながら、いつもだと素早く歩くところを、あえてのろのろと歩いて、ラグジュアリーなマイバッハを見つめ、目に焼き付けたのでした。

とんでもなくかっこいい車を1日に2回も見ることができたラッキーな日となりました。

所有しなくても、目で鑑賞するだけで幸せです。所有するとお金がかかりますから。

理想的なケースは、身近な人が所有していて一度くらい乗せてもらう、メルセデスのキャンペーンに当選して試乗させてもらう、といったところでしょうか。

食や健康に関しては一定のお金がかかる人間なので、超高級車に関してはローコストな人間でありたいです。

Text / Sonoko Ikeda