地図の博物館「ゼンリンミュージアム」(北九州市小倉北区)に行ってきました。北九州市に本社がある地図情報大手ゼンリンが運営する施設です。
友人から「すごく良かった」と聞いたのがきっかけで、かるい気持ちで行きましたが、私も同じ感想を持ちました。
展示が始まる前のスペースに「通常は観覧に150分かかる」とありました。
本当に? と思いましたが、確かに一つひとつの資料をすべて真剣に見ていたら、それくらいはかかりそうです。
とにかく資料の点数も文字量も多く、それぞれが作り込まれているので、見るポイントが多いんです。
ルーペまで用意されていました。拡大して見ていると、さらに時間が必要になることでしょう。
私は90分ほどで観覧しました(途中、資料を読み疲れて、気が抜けた箇所がありました)。
ゼンリンミュージアムの展示は以下の4部構成になっています。
第一章:16〜19世紀
企画展
第二章:19世紀
第三章:17〜20世紀
今回の企画展は「クルマの地図大集合〜68年の軌跡〜」でした。クルマの運転を始めた私にとって興味津々な内容です。
紙の地図からカーナビへの進化を見ることができました。驚いたのは1981年に初のカーナビが誕生していたこと。
40年以上も前に、今のカーナビの原型があったなんて! とびっくりでした。それでも紙の道路地図を眺めるのは楽しいです。
常設展ではこんなことを知りました。
・日本地図といえば、学校で習う歴史だと伊能忠敬(1745年〜)が17年かけて測量したものとして認知されているが、それ以前に測量して作っていた人がいた
・たとえば、ポルトガルの地図製作者イグナシオ・モレイラ。1600年代初頭、測量によって世界で初めて実態に近い日本地図を製作し、その地図は世界標準となった
・長久保赤水(1717年〜)は日本で初めて経緯線の入った日本地図を作った人。分かりやすい地図は人気で何度も改訂され、死後も増刷されていた(「日本地図の先駆者」と呼ばれるくらいなのに、なぜか教科書には出てこない)
・伊能忠敬の測量は第十次まで行われ、測量と測量の間隔は半年〜1年ほど(2年近く測量に出ていた時期もあったようで、それなりのオフシーズンも必要だっただろうと想像します)
など
今となっては、学校で教えられる歴史は正しいものだとは思っていません。偏りがあり、権力者側が「そう見せたい」ように加工されていると理解しています。
だからこそ、少しずつ学び直しをしているところですが、博物館・美術館などへ行って知的好奇心を刺激されると、インプットの素材が増えるような気がします。
これからも気になる展示には足を運んでいきたいです。
Text / Sonoko Ikeda