「おすすめはなんですか」なんて聞かない

店員さんに「おすすめはなんですか?」と聞く人に毎回もやもやします。とくに、飲食店において。

・自分が欲する(身体に取り込む)ものなのに、一体なぜ、店員さんのおすすめを聞きたいのだろう
・店員さんにとっても困惑する質問ではないだろうか(売り物として出している飲食物の中に、逆に「おすすめしたくないもの」なんてないはず)
・ということで、結論、無意味な質問ではないか

と疑問に感じるわけです。

・一体なぜ、自分の直感で選ばないのだろう

という根本的な問いは、事前にグルメ系サービスで口コミや評価(点数)などを入念に調べた上で店選びをしたり、オーダーを決めたりする人が多いことから、「失敗したくない」「それにより損をしたくない」の表れだろうとは考えています。

5年ほど前、渋谷「bar bossa(バールボッサ)」のマスターで文筆家でもある林伸次さんが、このテーマで書かれていて、私も当時コラムを読んだことを覚えています。

失敗も成功も損得も、自分の感覚が決めることであって、自分が「これ頼んで失敗した」とどんよりするも、「なんか変わった味だった。話のネタになる」とポジティブに捉えるも自由です。

私は店員さんに「おすすめはなんですか?」とは聞きません。

自分の感覚で選びたいし、お客から不意に「おすすめは?」と問われて答えなければいけない店員さんが気の毒ですし、「聞かれ慣れたかつ答え慣れたおすすめ品」を知りたいとも思わないんです。

商品化されている=すべて自信を持って提供しているもの、と解釈していて、その中から気分で自由に選びます。

お金を出すのも、それを体内に入れるのも私自身ですから、そこに他人の意見はいりません。

店員さんを困らせる「おすすめはなんですか?」質問が廃れていけばいいと思います。

Text / Sonoko Ikeda