「人生最後の恋」は思い込みに過ぎない

「人生最後の恋」。この言葉を見て「なんで最後?」と違和感をおぼえました。

この「人生最後の恋」を目にしたのは、Netflixでこの春配信された恋愛リアリティシリーズ『あいの里』です。

参加者は35歳以上と年齢制限があり、30〜60代の男女が参加していました。まだまだ長く生きていくであろう人たちです。

だからこそ「人生最後、って今決めなくても」「人生最後、なんて言い切るのは早くない?」と思ったんです。

もちろん、番組の趣旨として、番組自体が考えたキャッチコピーであるとも理解しています。

一方で、自分自身も、今のパートナーとの状況を「人生最後の恋」というか「人生最後の愛」と薄々決めつけていたことに気づきました。

愛と落ち着きをたたえた関係性を築くことができ、恋人でありながら大の友人のようで、一緒にいるといつも大笑い、おふざけしてしまう相手。そんな存在は貴重です。

今は世界一大切な人だと確信しています。それは間違いありません。

誰を差し置いても、私にとってパートナーこそが最重要人物です。仮に事件や事故でいなくなった場合、気持ちが復活する自信はないです。

ただ、この先何が起きるかは誰にも予想できません。それぞれがそれぞれの人生という舞台を生きています。

そこには常に新たな登場人物がいて、必ず何かが起きて、上がったり下がったりするものです。

そう考えると自分で勝手に「人生最後の」と思い込むのも変だと考えるようになりました。「人生最後の」と決めつけて、現状に慢心するなんてもってのほかです。

「人生最後の」というフレーズは今日限りで捨て去ることにしました。常に、今だけを集中して見つめていきます。

Text / Sonoko Ikeda