仕事のストレスを減らすコツ

仕事におけるストレス。みなさん感じていませんか。
これ、僕もすごく感じます。

特に医師の場合、患者さんの健康状態が良くならないことに責任を感じるのは当然なのかもしれませんね。

「生活習慣病の患者さんのマネジメント」を例に挙げると、病気に関する知識を提供したうえで、それでも暴飲暴食が止まらない場合、治療はうまくいきません。

「免疫を下げる薬を飲んでいる患者さん」の場合、感染症にかかった家族と同居していれば、感染症が伝染って体調を崩すこともあり得ます。こういう場合は医師として最善を尽くしていても、医師がコントロールできない状況下で、患者さんの容態が悪化することもあります。

医師は神様ではないので、どれだけいい治療を提案、実行しても結果が伴わないことがあります。この悪い結果だけをもって、医師としての責任を感じる必要は本来ないとは思います。そこまでスッパリと切り分けることができれば苦労はなくて、多少なりとも後味の悪さに心がかき乱されます。

自分の(私の)弱さなのかもしれません。まあ程度にもよるのですが。

悪い結果というのはここに書いてきた通り、その時々で正しい選択をしていても起こり得るわけです。そんな結果に執着してしまうと、今まで培った経験をもとにした良い判断もできなくなってしまいそうですよね。それってちょっともったいない、そんな気がしています。
ここで悪い結果が出たときの対処法について記しておきます。

・遡って自分ができたこと、足りなかったことはあるか

あれば次回から行動を変えればいいし、なければある一定の確率で生じる悪い結果なので、気に留める必要はないですよね。過去を振り返っても対策を講じられる問題があるのかないのか、この視点は肩の荷を少し楽にしてくれます。
おそらく、問題は悪い結果が出た後の行動です。

上司や同僚、クライアントから責められるような経験をするとなおさらで、過去の経験が現在あるいは未来に生じるかもしれない悪い結果に不安を抱かせ、自らの勇気や自信を自らで削ってしまいます。

こういう場面で考えることはふたつ。

ひとつ目は、試行錯誤の中で起きた悪い出来事は「失敗」から外す。ふたつ目は、悪い出来事を失敗と捉えてdisる人からは距離を取る。

ひとつ目の意図として、挑戦する自分であり続けるには「悪い結果は修正すればいいだけ!」と割り切ること。何度も同じ失敗をするのでなければ、むしろ悪い出来事を踏み台にできるはずです。ほら、一方の肩の荷が降りた!

ふたつ目は悪い結果に執着した人からの攻撃を受けないこと。攻撃は勇気づけとは真逆の行為です。

やる気を削いでくる行動で「あなたのためを思って」という接頭語とともに近づいてきますが、味方になってくれるのは「結果は悪かった。次の挑戦で協力できることはある?」と聞いてくれる人の方です。

自分自身でも悪い結果に視点を固定させてしまい、自らを否定してしまう人もいますが、次の挑戦の機会を自分で奪うこともあります。

いい結果がでれば続ければいいし、悪い結果はひとつのデータを取れた経験と考えていくと少し楽になりますよね。

悪い結果がでてもへこたれず、呼吸をするように次の挑戦を迎えられたら、これほど強い姿勢はないように思います。

そして立ち向かう、向き合うような行動を取れれば、関わる人すべてを勇気づけるきっかけになる気がしています。

未来がどうなるかはわかりませんが、今の行動でこんな未来を引き寄せる可能性があります。今できることにフォーカスすると、未来の不安のいくつかは消えてしまうかもしれません。

こうやって、悪い結果が出たときの自分の負の感情に寄り添うことができたなら、負の感情に「技術」で立ち向かえた証になるように思えます。

そんなこんなで、肩に乗っていた重しが少し軽くなったのではないでしょうか。自分の心に寄り添える技術、いつでも使えるようにしておきたいものですよね。

このようないくつかの技術が仕事のストレスを減らしてくれるかもしれません。のびのびと仕事をするコツになれば幸いです。

Text / Dr.Taro

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