パンツが足りない——。
出張先でのホテルにて、翌朝「やっちまった」となりました。パンツ(下着のほう)が足りないことに気づいたのです。
「やっちまった」とまるで頭を抱えているかのように大袈裟に言っていますが、やや盛りました。
パンツをもう1枚持ってくるべきだった、という些細なこと、かつ私以外の皆さんにとっては「どうでもいい(笑)」であろうテーマです。
とはいえ、出張や旅の機会のある皆さんにとっても「あり得なくはない」話だと思いますので、最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
私は1泊2日の出張や旅だと、パンツは翌日分(2日目)の1枚を持っていきます。月経中の場合は+予備を1枚。
一般的に考えて、それで足りるでしょう。汗を大量にかかなければ。
出張先や旅先でも基本的に朝ジムへ行きます。ジムではけっこうな汗をかくので、ジムへ行ったらパンツも穿き替えたいのです。
そうなると、パンツその1=1日目の入浴後〜トレーニング中に穿く、パンツその2=トレーニング後シャワーを浴びてから穿く、とパンツは2枚必要になります。
今回「パンツ2」を忘れていた……と、がっかりしたのです。
だからと言って、トレーニングを諦める、トレーニング中に穿いて汗をかいたパンツを終日着用し続ける、という妥協の選択肢はありません。
そこで私がとった方法は、トレーニングウェアに着替える前、洗濯物を入れていた袋から、1日目に穿いていたパンツを取り出し、穿き替えるというものでした。
「トレーニングの1時間そこらなら、前日に穿いたパンツを身につけたってかまわない」という、ゆるやかな考え方です。
そのパンツがとても汚れているわけではないし、その後シャワーを浴びるのですから、まあいいでしょうと。
家には十分な量のパンツがあるのに、旅先でわざわざ新たなパンツを調達したくはありません。「自分にとって不必要」と考えられる用途に、お金は1円も使いたくないのです。
これからも「足りない」「忘れた」「持っていない」という、若干困った状態になったとき、いかに手持ちのモノで乗り切るか、考えること、工夫することが楽しみでなりません。
それこそがクリエイティブな営みでありながら、ナチュラルな行為であり、生きる力を磨くささやかな時間だと捉えています。
Text / Sonoko Ikeda