口紅が欠かせない世代になっていた

「無人島にコスメをひとつだけ持っていけるとしたら何を選ぶか」

こんな質問を昔どこかで見たことがあります。そして、このテーマについて人と語ったことがあります。

20代だった私は10秒ほど考えて、「アイライナー」を挙げました。

目元を強調させたい、という思いが強かった頃です。アイメイクに8割以上の力を注ぎ込むような年頃でした。

しかし、37歳の今、同じ質問を向けられたとしたら「口紅」と即答します。

それくらい、とくに起き抜けや朝見る唇は色が薄くなっていて、何もしないと「生気のない人」に見えるようになりました。

昔はいつでも、唇に生き生きとした色が乗っていたはずなのに。加齢に伴う変化でしょうか。

だからこそ、口紅を塗るのを忘れて出かけようものなら、文字通り「ガーン!」でしかなく、がっくりと項垂れる自分がいます。

どんなアイメイクにも合う口紅を鍵置き場のそばに置いておき、常にそれをバッグに入れておけるような仕組み化を検討しているくらいです。

すっぴんの唇が覇気のない印象になってしまった一方で、唇に色を乗せること、口紅を塗ることは楽しい時間にもなっています。

主には赤、橙風味のある赤、肌馴染みのいいピンクの3種類の口紅を使っていますが、それぞれ違う印象になるので、鏡の前に立つたびにワクワクするのです。

赤ひとつとっても濃いめに塗るのか、ティッシュオフするのか、ピンクの口紅と混ぜてマイルドなイメージにするのか、口紅は1本でいろいろな顔を作ってくれます。

私が愛用しているのは今夏、日本から撤退したオーストラリアのオーガニックブランド「Zuii ORGANIC」のもの。

手持ちの口紅がなくなるまで、唇を元気に、明るく彩ってもらいます。

Text / Sonoko Ikeda

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