乳首の怪我で気づくこと

乳首を怪我してしまいました。

数ミリ×数ミリの小さな傷ですが、これがときどきピリッ……と感じられる痛さです。

しかし、いったいなぜ乳首を怪我してしまったのかというと、乳首まわりの産毛を剃っていたら、剃る場所がズレてしまって、乳首の一部を剃ってしまう形になったのです。

原因は急いでいたのと、慣れが招いた怠慢。

長年愛用している「Schick」のセーフティーワイヤー付きレディースシェーバは質が良く、替刃を使えば本体は半永久的に持つような気がします。

Schick製品に非はなく、気持ちが緩んでいた自分が情けないです。

わずかに流血するので乳首に絆創膏を貼っています。こんな部位に絆創膏を貼ったのは、37年生きてきて初めてのことです。

治らなければ病院へ行くしかありませんが、好んで行きたい場所ではありません。ひとまずは観察します。

それにしても、こうして負傷すると、負傷箇所がなかったときの、おおよそ健康体の自分の身体や皮膚に感謝の念を忘れていたことに気づくものです。

すこやかなるときも、すこやかであることを当たり前とせず、健康な自分自身の肉体に感謝する気持ちを疎かにしてはいけない、と改めて思いました。

擦り傷や切り傷など、小さな怪我をしたことのある方は分かると思いますが、皮膚はほんの少しなくなっただけで、水は沁みるし擦れると痛いし、心身に強烈なダメージを寄越すもの。

身体全体を覆う皮膚の何億分の1、くらいの面積であっても、です。ほんの少し皮膚がなくなっただけで「痛い、痛い」と騒ぐ弱さよ……。

元気でいてくれる身体への感謝の想いをいつも心に抱えておきたいものです。

Text / Sonoko Ikeda