日常のハグが温かい日々をつくる

私は日常のなんでもないときに、パートナーをよく抱きしめます。同じく、パートナーもなんでもないときに、私をよく抱きしめます。

たとえば、こんなときです。

鳥の巣のように爆発した髪の毛で、いかにも眠そうに朝食を食べている彼が面白くて、愛おしくて、後ろからハグ。
両手を広げて「来て」とアピールする彼のところへ、素直に寄っていってハグされる。
逆に私が両手を広げて「おいで」と言って、素直に寄ってくる彼をハグ。
彼が家を出るとき、施錠担当の私は玄関に待機していて、そのタイミングで「抱っこするよ(大の大人を「抱っこ」と赤ちゃん扱いしていますが)」と言ってハグ。
立って何らかの作業(仕事・家事)をしている私を彼が後ろからハグ。
寝る前に彼が私の部屋(正確には私にあてがわれた個室)に「おやすみ」を言いにきたときにハグ。

など、毎日のようにある「定番」抱きしめシーンを挙げてみましたが、ほかにも何気ないときに抱きしめています。

抱きしめる効果を数値化したことはありませんが、定性的な効果はあると感じています。

・愛情が深くなる
・大事にしている、大事にされている実感を得られる
・愛している、愛されている実感を得られる
・安心感を得られる
・肯定されている気持ちになる
・仲良くいられる
・温かさを感じられる
・心身や調子の変化に気づきやすくなる

などが考えられます。抱きしめる側、抱きしめられる側双方にいえると思います。

何でもないときに抱きしめながら「一番大事よ」「大好きよ」「気をつけて行ってらっしゃい」「またあとでね」など声かけし合います。

抱きしめつつ、相手を大事に思う言葉を発することで、その想いがより深く伝わるような気もします。安心して緊張がとれて緩んだ身体に、言葉がじんわりと流れていくような感覚です。

私たちは最初から今日まで、スキンシップが日常にあるふたりでしたが、そうではないカップルにとって、抱きしめるという行為はハードルが高いかもしれません。

ずっと抱きしめていないのに、いきなり抱きしめるなんてむり、という感覚は容易に想像できます。

そんな場合は手や一の腕、足の裏、ふくらはぎ、頭皮などのマッサージをし合うところから始めるのが良さそうです。慌てずに、少しずつ。

抱きしめるという行為はセンシュアルな要素だけではなく、なんでもない日常で温かい気持ちになれる動作でもあると伝えたくて書きました。

誰もが温かい日を過ごせますように。

Text / Sonoko Ikeda

▼スキンシップの参考書▼